見出し画像

『ぶつかると痛いのはなぜか』~「当たり前」のメカニズム~リテラ探究学習研究レポート

物に強くぶつかれば痛い。そんなことは誰でも知っています。しかしそれがどの様な働きによるものなのか詳しく調べてみると、私たちの体が秘める興味深さを覗き見ることができます。

この研究をしたのは、新中学2年生のR・Aさんです。




■リテラの先生からのコメント

普段、当たり前に感じている「痛い」という感覚について、あたらめて問い直してみることができましたね。これからも蓮太君の「不思議に思う心」を大切に、新しい発見や創造をしていきましょう。

■テキスト資料

体をものにぶつけると痛い。
当たり前だけれどどうして痛いのでしょうか。
ものと体が強く衝突すればすごく痛いです
でも物と体が弱く衝突すると、そこまで痛くありません。
その時、感じ方はどう違うのでしょうか。


またなにかぶつけたおぼえもないのに。血が流れていたりあざ出来ている時もあります。
けがをしているのに、痛みを感じない、それはなぜなのでしょうか。
僕はその理由が知りたくなりました。


その為に、僕はまず皮膚感覚について調べました。
皮膚感覚には触圧覚と温痛覚があります。


触圧覚は、触覚と圧覚があります。
触覚は、人形などのふわふわした手触りを感じる感覚です。
圧覚は、満員電車で人に押されたときの感覚などをいいます。


温痛覚には、痛覚と温度覚があります。
強い刺激で起こる痛覚は、痛いと感じる感覚です。
温度覚は、触ったものと皮膚との温度の差で起こります。
冷たいと感じる冷覚、温かい・熱いを感じる温覚があります。
温度差が大きいと痛みを感じます。
体が冷えている時に、お湯が痛いのはこのせいです。


ひふには、こうした感覚を感じるためのセンサーの役割を持つ、4つの感覚点があります。
それを触点、温点、冷点、痛点といいます。
人間は、敏感なところと鈍感なところがあります。


なぜなら、感覚点の数は、体の場所や、点の種類によって違うからです。
触点で言えば、敏感な顔や手のひらでは1平方センチメートルあたり100個以上あるのにたいし、鈍感な尻や太ももでは10個ほどしかありません。
敏感さを表す方法として「皮膚の2点を同時に触ったときに、2点として感じ取れる最短距離」が使われますが、感覚点が多い場所ほど、敏感で、距離が短くなります。


そこで僕は、皮膚の敏感さを調べる実験をしました。
先生達にも協力をして頂きました。
鉛筆の先を体の部位に当て、だんだん距離を近づけていきます。
そして2点が1点に感じたときの距離を調べました。


僕も含めて4人で実験してみたら、手のひらや額に比べて腕の方が距離が長い事が分かりました。
つまり腕のほうが鈍感ということです。
手のひらと額では余り差がありませんでした。
僕はどの部分も、あまり差がないと思っていたけれど、意外に差があり驚きました。


皮膚の感覚は、大脳で感じます。
例えば、とげを触ったときの痛みの信号は、脊髄と視床を通り、大脳の体性感覚野に送られ、ここで指先が痛いと感じます。
麻酔などで、脳へのルートの途中で信号を止められると、信号は大脳に送られず、痛みを感じません。
なお、脊髄に入った信号の一部は脊髄の運動神経に伝えられ、痛いと感じる前に手を引っ込める脊髄反射を起こします。


痛みの感覚が脊髄を通って大脳に入ると、痛みは認知・感情面を伴った脳内体験として統合されます。
痛みは認知・感情面の影響を大きく受けるそうです。



例えば僕は小さい頃、注射が痛いと感じていました。
でも小学5年生くらいになると、注射の痛みを「あれこんな感じだっけ」と感じるようになりました。


小さい頃は、周りの子が泣いているのを見てこわいと思ったりするので、強く痛みを感じやすいのだと思います。
しかし、大きくなるとその「注射は痛い」という認知が薄れてくから、案外痛いと思わなくなるのではないかと思います。
この研究を通してぼくは、物にぶつけると痛い理由は、ぶつかった瞬間、感覚点から痛みの信号が脳に送られるからだとわかりました。
強くぶつけたときと、弱くぶつけたときの痛さが違う理由は、脳へ送られる信号が強かったり弱かったりするからだと思います。
では、ぶつけた覚えがないのに、血が流れていたりあざができてる理由は、感覚点の少ない体の鈍感なところに当たり、気づいていないのかもしれません。
あるいは、集中してる時に痛みの刺激が大脳に来ると、脳内体験が作られないからだと考えられます。
これで発表を終わります。
聞いてくださってありがとうございました。

■参考文献

『小学館の図鑑NEO 人間 命の歴史』より
『痛みと心』日本心理学会

■研究の振り返り

◇これはどのような作品ですか?
痛みを感じる仕組みを説明する発表です。          

◇どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
どうして痛みを感じるのか気になったからです。

作品づくりで楽しかったことは何ですか?
自分が気になったことについて分かったことです。

作品づくりで難しかったことは何ですか?
痛みの信号が大脳に伝わる仕組みについて理解するのが難しかった

作品作りを通して学んだことは何ですか?
痛みは信号が伝わることによって起こる現象です。

◇次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
話すスピードを遅くしたいです。

◇来年研究したいことは何かありますか?
また来年考えたいです。

この作品を読んでくれた人に一言
ありがとうございます!!。


この記事を書いた生徒さん

いいなと思ったら応援しよう!