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私達が巻き爪治療に取り組む理由について

私達が巻き爪治療に取り組む理由について投稿いたします。

 一般に巻き爪と言われるものには、様々なものが含まれています。
 爪が皮膚に食い込んで炎症を起こす陥入爪、外傷などをきっかけに爪が何層にも重なり厚くなった爪甲鉤彎症、爪の下に白癬が感染して厚くなる爪甲下角質増殖、その他の爪の疾患など、爪の変形をきたした様々な状態を細かく区別することなく一般にまとめて巻き爪といわれることが多いと思います。
 狭義でいうと、痛みや炎症はないものの爪が湾曲している状態が巻き爪となります。それが皮膚に刺さって炎症を起こすと陥入爪となることもあるというように、これらはオーバーラップしていることもあります。

 もちろん様々な誘因で変形するのですが、靴の履き方や姿勢などによる体重のかかり方によって爪が変形していることによるものも多く、生活習慣で生じた結果ともいえるため容易には改善しにくい特徴があります。

 この中で、炎症を起こしたものは抗菌剤での治療を行うこともありますし、爪の棘が刺さっている場合は爪を切ったり、重度の肉芽があり痛みが強いようであれば手術をおこなったりすることもあります。

 抗菌剤で治療するもの、あるいは手術をするものは医療機関で医療行為によって治します。ただ、上記の狭義の巻き爪ですと、医療行為で行えることはあまりありません。足にあった正しい靴の履き方、インソールの作成、歩き方の工夫など普段の生活習慣の改善が主体になります。
 しかし、これらのことを工夫しても改善しない場合や悪化することを未然に防ぎたい場合は、巻き爪の矯正を行います。

 巻き爪の矯正も様々なものがあり、当院でも多くのものを試してきました。私自身も健康のためにテニスを行っているのですが体重のかかる足の親指の爪の内側は少し湾曲することがあるので、自らも様々な矯正器具を試しました。
 その中で矯正力が強く、見た目も綺麗で、運動しても外れない巻き爪矯正のペディグラスという治療に出会い、現状当院ではこのペディグラスという施術を中心に巻き爪矯正を行っています。

 このように、一言で巻き爪と言っても、医療機関で治療できるものと、医療機関以外で矯正する方法とがあります。
 この判断がご自分でできるようであれば自らの判断で医療機関または巻き爪矯正サロンを選択されても良いと思いますが、一般の方には判断が難しいのではないかと思います。

 一方で、巻き爪サロンでの施術者も、爪の疾患について熟知している必要があります。つまり果たして矯正で済むのか、医療機関での治療が必要になるのか判断が必要です。つまり爪の病気なのかどうかという判断が求められます。たとえば爪白癬によって変形をきたしているところいくら矯正しても白癬が良くならないと変形は改善しません。単に巻き爪は巻き爪を矯正する手段を知っているだけでは良くなりません。

 このように巻き爪の治療は医療と医療外での矯正という境界領域の分野であり、奥が深く両者に精通していないと片手落ちになります。
 このような理由から、疾患を予防できるためには、爪のことに精通した医師や医療従事者が爪の矯正もできることが理想的だと考えます。

 しかしながら、医療機関で巻き爪治療を積極的に行っているところは多くはありません。というのもこの巻き爪矯正は保険診療では認められていないからです。保険診療を行っている医療機関では保険診療を中心に診療の範囲を考えるため、保険外診療の矯正はやらないことが多いです。一方、美容医療を中心に行っている医療機関では収益性が低い巻き爪矯正のような診療は行わないことが多いです。

 私の経営するクリニックでは、保険診療と美容医療の両者を行っています。巻き爪治療は、必ずしも収益性は高くなくとも困っている人が多数いらしっしゃり、しかも医療従事者の介入が少なく適切な処置がなされていない場合が多い領域であると考え、私達こそが着手すべき領域なのではないかと考えました。

 そこで、私達は当院で勤務している看護師にこの施術の資格を取得させて巻き爪の診療を開始しました。つまり皮膚疾患(特に足や爪の疾患)にも精通している看護師が巻き爪の矯正に従事しています。
 昨年巻き爪サロンを開業しそこでその看護師が施術にあたっています。

 このサロンに初めてこられた方はまずは爪の状態を評価しますが、白癬や他の疾患が疑われるときにはクリニックに連絡し、必要があれば医療で疾患の治療にあたります。そして疾患が改善したら再度サロンで看護師が巻き爪の施術にあたります。逆にクリニックに受診された方でも、医療の守備範囲ではなく、矯正するのが良い場合にはサロンを案内しています。

 このように私を含め皮膚疾患(特に足や爪の疾患)に精通している医療従事者がトータルで巻き爪の治療にあたっています。

 巻き爪のことでお悩みの方はクリニック、サロンのいずれでも結構ですのでご相談ください。
 

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