prime videoで『君を愛したひとりの僕へ』観ましたー。(ネタバレなし)
個人的な評価
ストーリー A
脚本 B
構成・演出 B
思想 S
作画 B
キャラ B-
声優・歌 C+
バランス A+
総合 B
S→人生に深く刻まれる満足
A→大変に感動した
B→よかった
C→個人的にイマイチ
冒頭のあらすじ
内容的には、パラレルワールドの存在が解明され、虚質科学という学問が確立された世界のお話になります。主人公・暦は7歳のときに両親が離婚し、その際に父親についていくか、母親についていくかで大きく運命が分岐することになります。
『君を愛したひとりの僕へ』は父親についていった場合の話で、対となる『僕が愛したすべての君へ』は母親についていった世界線のストーリーになります。
本作、『君を愛したひとりの僕へ』では、暦は愛犬・ユノの死が受け入れられず、ユノが生きている世界線へ旅立ちます。暦は愛犬との再会に喜びますが、その代わりに元の世界では生きていた祖父が亡くなっており、その通夜の席で暦は号泣することになります。
しかし、翌朝目覚めると、暦は元の世界に戻っていました。祖父は生きており、ユノは墓の中で眠っていました。自分にとってつらい事象を避けた都合のよい世界を築こうとしても、その代償に他の大切なものを失うことになると直観的に悟った暦でした。
帰ってきた暦は、父親が勤めている「虚質科学研究所」の託児施設で、佐藤栞にその体験と自らの死生観について語ります。栞はユノの死を悼む暦を見て、IPカプセル・正式名称「アインズヴァッハの揺り籠」という装置を使って任意の並行世界にシフトすることを後押ししてくれた女の子でした。
並行世界の往来を体験した暦が「生きてることと、死んでることの差が分からなくなった」と生の実感に疑問を呈すると、栞は「生きてることは温かくて、死ぬと冷たくなる。体の温かさは可能性の温度なんだよ。生きてることと、死んでること、そのふたつの温度の差が『命』ってことなんだと思う」と、意見を述べました。
年月が流れ、次第にふたりは心惹かれつつ、中学生になりました。暦の父と栞の母が再婚する話が進み、ふたりは兄妹になる可能性が高まりました。
兄妹は結婚できないと思っていたふたりは(実際は、兄妹でも血縁がなければ法律上婚姻できます)、お互いの親が離婚していない世界線へ旅立つことを決意します。
ふたりは、お互いの両親が離婚していない世界、つまり暦と栞が他人同士のまま結婚できる世界に辿り着きますが、そこは栞が死ぬという事象を避けられない世界線でした。
並行世界に移動した瞬間に交通事故に遭い即死した栞は、元の世界の事故現場で幽霊のように漂う虚質存在になり、何も外傷がないはずの肉体は機能を停止し、昏睡したまま植物状態になりました。
栞を救うには、栞の虚質素子を観測制御し、元の肉体に定着させるしかありませんが、栞の姿は暦にしか見えません。
栞を愛している暦は、責任を痛感し、その日から栞を助けるためだけに自分の人生を使おうと決意するのでした。
感想
タイトルが強烈なインパクトを持つ本作。原作読了済みなため、文章で作品に触れたときと比較して鑑賞しました。
本作は、自分を犠牲にしてどこまで人を愛し続けられるか、その気持ちと信念をいつまで維持できるかを描いた傑作と評することができるでしょう。
内容的に大変感動できるのですが、これまで私が触れて来た作品、たとえば『君が望む永遠』『君の名は』『デザイア~背徳の螺旋~』『シュタインズ・ゲート』『バタフライエフェクト』などの要素とその影響を強く感じました。
具体的には、
君望 →ヒロインが植物人間に、サブヒロインが協力
君の名は →同じ場所にいるのに結ばれない
デザイア →好きな人を救うために量子力学を必死で学ぶ
シュタゲ →好きな人が死なない世界線を懸命に探す
バタフライ→最後に主人公が取る選択が同じ
…となります。
こういった作品はたいてい、正攻法では絶対に救うことができないヒロインをどのように助けるかという外形上の結果を見所にするものと、やるだけのことはやってそれでも無理だったのだから仕方ないと運命を受け入れ、自分と相手との別れ方に重点を置く内省的なものに分かれます。
なので、本作も最期に作者・乙野四方字先生の思想が強く出るだろうと思い期待して鑑賞しました。中学生の頃にこの作品の草案を思いついたという先生ですが、主人公・暦の人生の終盤、死に際の描き方は見事でした。
アニメで残念だったのは、内容的に結構あっさり進んでしまう感じがしたことですね。選ばなかった世界や試行錯誤する描写をもう少し丁寧にやればもっとよかったかもしれません。
『僕が愛したすべての君へ』も近いうちに鑑賞しようと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。
このジャンルで、君が望む永遠に勝てる作品はないっすねー。
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