
【神回】薬屋のひとりごと第19話『偶然か必然か』【伏線回収】鑑賞完了しましたー。
前回は猫猫の父親が羅漢であることが判明し、一気にシリアスな流れに突入しそうな神回でした。今回はその続きなため、波乱を覚悟して神妙な境地で鑑賞したところ、今まで何となく表現されたと思っていた読み切りの日常回が、実は計算され尽くした伏線だったことが発覚しました。
猫猫の聡明さと、毒と薬にしか興味がないようでいて、他人の危難を見て見ぬふりをせず正義感を奮い立たせて行動する人格が描かれた素晴らしい回に思えましたので、記録していきたいと思います。
内容のあらすじ
今回はOPから観た方がキマる気がしたので、いつも以上にしっかりと観ました。



倉庫でボヤがあった日に、別の倉庫で盗みがあったと猫猫に話に来る李白。火事場泥棒というやつですか、と猫猫が応じるといくつかの祭具が盗まれた、と彼は続けます。
そんな杜撰な管理だったのですか、と猫猫が尋ねると倉庫の管理者は好物の海藻で食中毒を起こして不在だった、と伝えられます。

さらに、ボヤを起こした倉庫番は、官女のひとりに上等なキセルをもらっていたことも判明し、官女がなぜ倉庫番にわざわざそんなものを与えたのか疑惑が深まります。
猫猫は「上背があって薬の匂いがする官女だったらしい」と聞き、思い当たる人物を連想しますが、養父・羅門の『憶測で物を言っちゃいけないよ』という教えが頭にちらつき、より慎重に検討してみることにします。









再調査を進めると、酒で亡くなった浩然、祭具の管理者、海藻の毒に倒れた官僚の共通点は、祭事に関わる人物だったことに猫猫は気づきます。
しかし、この計略を練った者がどの祭事で事を起こそうとしているのか、どの祭具が盗まれたのか分からず悩みますが、『盗まれたなら作り直すはずだ』という発想から、彫金細工師の三兄弟のことを思い出し、天井に大きな柱を下げている蒼穹檀がターゲットである、と半ば確信します。
祭事場へ急いで向かう猫猫ですが、武官のひとりに止められてしまいます。








感想
前回に引き続き、今回も神回でしたね。先週は嵐の前の静けさとでも呼ぶべき不穏な雰囲気が漂った話でしたが、今週はこれまでの因縁が決定的な結果となって現れた回でした。
数学的にいうと積事象であり、法律的にいうと未必の故意を扱った傑作回とも言えるでしょう。
少女である猫猫が、使命を果たすために自分より数倍の腕力がある武官に立ち向かい、その結果殴られ怪我をする様は心が痛くなりましたが、誰かのために自分より明らかに強い者に立ち向かっていく勇気はやはり心打たれるものがあります。
どんなに強い人でも、自分より弱い人としか闘えない人はいざという瞬間の判断を求められる本番では誰も守ることはできないでしょう。
女性でありながら、男性に頼って生きていくことを前提とせず、自分の運命を受け入れ、その中でできることを一生懸命やろうとする猫猫に感動しました。ただ、実父・羅漢に踊らされ、運命を弄ばれているように感じるのが気の毒です。
原作未読なせいかもしれませんが、幸せな結末を望んでいます…。
次回も非常に楽しみです。ここまでお読みいただきありがとうございました。