秋の夜長に聴きたいアルバム5選
昔から“芸術の秋”とはよく言ったもので、
賑やかな夏が終わり、しんみりした季節に
なってくると、部屋で映画観たり、音楽を聴きたくなりますよね。
私の場合、音楽は
配信→ほとんど聴かない
CD→ほぼ車オンリー
アナログ→部屋
とおよその棲み分けができてますので
部屋ではレコードばっかり聴いてますね。
そんな年から年中、音楽漬けの私が選ぶ
“秋の夜長”に聴くとしんみりとハマる
アルバムを5作品ご紹介します。
①The First of a Million Kisses/Fairground Attraction
ユーロビートやエレポップ全盛の1980年代後半...
突如として発表されたアコースティックでノスタルジックなメロディーと、ピュアな歌声が詰まったアルバム。
ベースとなるのは往年のポップス、ジャズ、トラディショナルフォーク辺りですが、スコットランド・グラスゴー出身とあって、所謂ネオアコの
エッセンスも感じます。
代表曲の"Perfect"のような明るい曲もありますが
全体的には懐かしい感じのする、胸がときめくような穏やかなマイナー調の楽曲達。
アメリカのバンドにはない、ヨーロッパならでは陰りのある旋律が特徴
ですね。
また、エディ・リーダーの声が湿っぽくなりすぎず、甘すぎたりしない所がアルバムに良いバランスを与えているような気がします。
シュチュエーション的には、月が輝く夜に聴くのに最高なアルバムです。
②フェイクファー/スピッツ
これはですね、秋の後半から冬にかけてって感じの作品ですかね。
聴くのには昼夜は問いませんけどね。
“楓”“冷たい頬”“スカーレット”フェイクファー”など季節を感じさせる曲が
印象的。
あとジャケットで夏服のモデルさんの背後から、柔らかな秋の日差しが差し込んでいる感じが絶妙でとても好きです。
スピッツって良いアルバム、良い曲が多いのですが個人的にはマサムネの声質って秋~冬に合うかなって気がします。
だから彼らの春や夏を感じる曲を聴いても、どこか切なく、寂しくなると
いうか….
このアルバムの特徴としては、彼らのアルバムの中では音質が少し籠もっているというか、アナログ的なモワッとした感じなんですよね。
あえてそういうミックスにしたのか、録音がいまいちうまくいってなかったのかはわかりませけど、その辺も秋を感じる要素になっているかと
思います。
今でも良い曲を書き続けてますし、大好きなバンドですけどなんかこのアルバムをもって、彼らの青春期、蒼い時代が終了したっていう虚無感も
感じたりします。(同世代の私も当時そんな気分だったから?)
③So Tough/Saint Etienne
秋になると台風が沢山来ますよね。
ご存じのように台風には目があって、その地点だけ無風らしいです。
このバンド(ユニット)の作品を聴いて思うことはいつもその感じです。
結構、エレクトリックでキラキラした音使いをしているんのですが
楽曲の中心は静まりかえっているというか。
特にファースト、このセカンドアルバム辺りにそれが顕著です。
その要因は英国らしいメランコリックなメロディーという部分とボーカルのサラ・クラックネルの余り抑揚のない、ドライで儚い声質にあると
思います。
この作品以降は、この国においてはお洒落さん達(渋谷系)やクラブ系の人たちに支持されていきましたね。
汗の匂いを感じない、ドライな楽曲があの時代のBGMにぴったりだった気がします。
冒頭の"Mario's Cafe"から秋らしさが満載、
“Avenue”"Hobart Paving" など夜中に聴いてみてください。
どっぷり秋の気分に浸れます。
ちなみにファーストアルバム“Foxbase Alpha”も同じくらいお勧めです!
④Transformer /Lou reed
亡くなる直前に一度だけライブを観ました。
結構なお年でしたが、長時間演奏して過去の楽曲も今の解釈で
アレンジするなど精力的で凄いなと思いました。
難解なアルバムを作るときもありますが、
この作品はルーリードの中では最もとっつきやすいアルバムでしょう。
聴いていると切なさも感じたりしますが、それに加えて怪しげで
退廃的な夜の美学も感じたりします。
例えるなら、少し肌寒くなってきた繁華街の路地裏のあの感じ。
彼はとても気難しいことで有名ですね。
私が読んだ過去のインタビュー記事を読んでみても基本的には世の中に対して批判的な目線、偏屈なおっさん的な(笑)
でも、楽曲に関しては素晴らしい。
特にマイナー調の楽曲においては、天才的なメロディーを作ります。
このアルバムなら
“Perfect Day”
“Walk on the Wild Side”
“Satellite of Love”
Velvet Undergroundの頃なら
“Femme Fatale”
“I'll Be Your Mirror”
“Pale Blue Eyes”
辺りでしょうか。他にも沢山ありますが...
また、彼の曲は映画にも沢山挿入歌として使用されていますね。
それだけ映画の印象的なシーンにはまりやすいってこともあると思います。
⑤Either/Or/Elliott Smith
グランジ全盛期の90年代にアコースティックなサウンドで一部の熱狂的な
ファンを生んだエリオット・スミス
まさか、あんなに早くに亡くなるとは...
当時、ニュースを聞いた時、愕然としたことを覚えてます。
また、大好きなアーティストがいなくなったと...
心残りは彼のライブが一度も観れなかったこと。
あの繊細だけども、何処か一縷の望みを捨て切れてないような歌声は生で
聴いてみたかった。
彼の作品の根底にあるのは孤独、達観、倦怠、陰鬱といったワードかもですが、このアルバムは初期の2枚のアルバムに比べてメロディーがよりはっきりしていて比較的ポップでで聞きやすい。
これ以降メジャーに移籍してからの、完成されたプロダクションでの作品や楽曲も素晴らしいですが、個人的にはインディーズとの間にあるようなこのアルバムが一番好き。
全曲素晴らしいのですが、映画“Good Will Hunting”で使われた
“Between the Bars”は秋の夜長にウイスキーをストレートで飲みながら聴くとかなりしんみりとしてしまいます。
また、賑やかなパレード(祭り)に友達に誘われて行ったものの、周りの
喧噪をバカらしく感じ、より孤独を感じてしまう様子を歌った
"Rose Parade"は彼ならではの楽曲だと思います。
同じ時代の、雰囲気が近いアーティストにはHydenなんかもいますが
(彼も最高!)
こういった自分自身を素のままで音楽的に表現するアーティストは余程楽曲のレベルが高くない限りは、今の時代においては一般的に注目されることはないのかもしれませんね。
本当はまだまだ紹介したいアルバムがありますが
とりあえずはこの辺りで。
気になった方は是非聴いてみてください。
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