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映画『ルックバック』 何かに誘われるような

ユーチューブ見てたら盛んにオススメしてきた映画が『ルックバック』。なんか惹かれるな、と思ってたら話題作に、と思ってたら、一日に二回上映になってる。そろそろ終わりそうだな、と娘を誘ったけれども都合が合わずに結局ひとりで鑑賞。

『ルックバック』タイトルが良い。タイトルだけで妄想が進む。

未来に向かって進んでる今はすぐに過去になる。あの時こうしておけば良かったのに、と悔やんでいる今もすぐに過去になる。過去を振り返ってる今も未来に向かって進んでいる。

自分の背中は自分には見えないから、人を通して気づかせてもらうしかない。

そんな他人と出会ってきたかな?と回想。そう、ソウルメイトのような人と。

初めてその言葉を聞いたのは、同業の先輩Kさんから。「リーさんとは、ソウルメイトのようだね」と。多分、自分はポカンとしてたと思う。意味はわからなくても、彼のことは尊敬してたので嬉しかった。

そんなKさんと二人で長野に研修に出かけた。その帰り道のこと。Kさんが、「帰るのもったいないから、ついでに何処かに寄って行こうよ」と言ってきた。

何日か前に「朝日ジャーナル」で読んだお坊さんのことをふと思い出したので、「J寺に行ってみよう」と言ったら、それは面白そうだということになった。衝動的に行動するのは若者の特権。無鉄砲だったから、ほんとにGO!走らせている車の中で「ところで何宗なの」とKさんが聞いてきた。「その住職は、皆の衆と答えるらしい」と教えたら、Kさんはますます興味を増したらしく目を見開いていた。

J寺に到着、ほんとに居た!当たり前だけど…。住職と出会えて、お話まで伺えて感動した。飛び込みだったのにもかかわらず。さすが皆の衆!

その当時「総合ケア」という専門誌でも連載をしていて、鎌田實医師と隔月でエッセイを書いていた。そして、そのお寺には、チェルノブイリ原発事故後の原発障害の治療支援のNGOの事務局があったり、杉戸と襖には丸木夫妻が絵をしたためていたりと、若者が感化されて人生を変えそうな刺激がたくさんあった。

あれれ、大分脱線してしまったが…もう少し続ける。

そのあと、住職は会合があるからと出かけるとのことだったので、お暇しようとしたら「泊まるところが決まってないなら、うちに泊まっていいよ。うちは『ほてら』だから」と言われた。またも感動。図々しくも泊まらせていただいた。遠慮がなかったものだわ。もちろん、その晩は、とっくりとKさんと語り合った。ソウルメイトと言ってくれた人と…。

そうそう、ルックバックの話だった。

藤野と京本はソウルメイト。パラレルワールドがあったとて必ずや出会う運命。

人生のどこかで交差しながら、お互いを支え合い、導きあう。仮にどちらかが倒れてもどちらかがその魂を背負っていく。この世であれ、あの世であれ。リアルであれ、比喩であれ。

映画の中には、背中がたくさん出てくる。その背中には沢山の感情が現れる。喜びも哀しみも怒りも笑いも、そして孤独も共鳴も。

二つの魂は出会ったけれど、成長のために別れて、また出会いひとつになる。

良い物語だった。

今、Kさんは里山でヤギを飼って子どもたちに自然や人と触れ合う場を提供してる。

久しぶりに会いに行こうかな。

山形の風景、藤野の喜びのスキップ、京本の心からでた言葉などなどに誘われて。

ルックバック
劇場公開日:2024年6月28日公開
解説
「チェンソーマン」で知られる人気漫画家・藤本タツキが、2021年に「ジャンプ+」で発表した読み切り漫画「ルックバック」を劇場アニメ化。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」や「君たちはどう生きるか」などさまざまな話題のアニメに携わってきた、アニメーション監督でアニメーターの押山清高が、監督・脚本・キャラクターデザインを手がけ、ひたむきに漫画づくりを続ける2人の少女の姿を描く青春ストーリー。

学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称賛されている小学4年生の藤野。そんなある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本の描いた4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられる。自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりで学校にも来られない京本。正反対な2人の少女は、漫画へのひたむきな思いでつながっていく。しかし、ある時、すべてを打ち砕く出来事が起こる。

ドラマ「不適切にもほどがある!」や映画「四月になれば彼女は」「ひとりぼっちじゃない」などで活躍する河合優実が藤野役、映画「あつい胸さわぎ」「カムイのうた」などで主演を務めた吉田美月喜が京本役を担当し、それぞれ声優に初挑戦した。

映画ドットコムHP

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