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司馬遼󠄁太郎原作「峠 最後のサムライ」を観た

公開された当時に丁度、司馬遼󠄁太郎の原作「峠」を読んでいたので気になっていた映画。アマプラで観た。

司馬遼太郎は「あとがき」で作品の意図を次のように書いていた。

私はこの「峠」において、侍とはなにかということを考えてみたかった。それを考えることが目的で書いた。その典型を越後長岡藩の非門閥家老河井継之助にもとめたことは、書き終えてからもまちがっていなかったとひそかに自負している。

「峠」司馬遼󠄁太郎

タイトルからもわかるように、本作品のテーマもここにおいたのだろう。

この河合継之助という人物は、一筋縄ではいかない。映画の中では、家老に成ったあとの話から描かれているが、そこに至るまでの河合継之助の辿る道が面白い。ここを切り取ってしまったら、人物像が立体的になりえないが、映画の制約上、仕方がないがもったいない。

そして、小藩が武装中立で独立して生き残る事にかけるという凡人には到底思いつかない発想にかけ、出来る限りの準備をしていた実行力と胆力が半端ない。また、その底には、自分の生まれ育った郷土や主君への忠義があった。

フイルムで撮られた映画と後で知った。懐かしい感じがしたのはそのせいか。俳優陣は役所広司、松たか子、仲代達矢、香川京子、魅せる役者揃い。良い場面も沢山ある。

映画を観たあとに、原作を再読したくなった。英訳されたら、サムライに関心のある人たちがこぞって読むかな。

あらすじ・ストーリー 1867年の大政奉還により、徳川幕府は終焉を迎えて諸藩は東軍と西軍に二分され、翌年戊辰戦争が勃発。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助は民衆のために中立を貫こうとする。だが平和のための交渉は決裂し、継之助は苦渋の決断を下さねばならなくなる。
解説 司馬遼太郎のベストセラー小説『峠』を、『雨あがる』の名匠・小泉堯史が映像化した歴史ドラマ。幕末・明治維新の動乱の中で、多勢の敵軍に対して決死の戦いを挑んだ“最後のサムライ”たちの知られざる姿を描く。役所広司が主演を務め、EXILEのAKIRA、松たか子、香川京子、田中泯らが出演。また、歴史に名高い北越戦争の再現は圧巻だ。

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