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今朝のウォーキングミュージック モット・ザ・フープル

今朝のウォーキングミュージック
モット・ザ・フープル「華麗なる扇動者 ライブ」1974年

久しぶりに、モットのライブ盤。
なぜか
終盤のメドレーを聴きたくなって。

初めて、そのレコードをかけたとき
初めて聴くその音源に、初めてならではの感動がありますね。
ええーっ、そうくるのかあ! と。
まして、ライブ盤は、スタジオ盤で知ってる曲がスタジオとは違う展開をして、それを初めて聴いたときの驚きは、そのとき限りの一生に一回の感動。
それを思い出し、このアルバムを。
当時、1枚もののライブ盤で
片面ずつ、別の地での演奏が収録されていて
名前でなく、もっと、もっと、と思っていたが、後に30周年記念盤として、片面ずつだったステージを拡大版として、それぞれCD1枚ものにしたCD2枚組で発売。
嬉しい拡大版だった。
しかし
レコードを初めて聴いた時の感動といったら、いまだに忘れられないほど大きかった。
このレコードから、ギターはバドカンに行ったミック・ラルフスに代わり、エリアル・ペンダーがリードギター。
これは、契約の関係で変名とのこと。
このエリアル・ペンダー、変わったギタースタイル。
決してテクニカルではないが、独特の味がある。
良い意味で、アバウトな大袈裟さがあり、モット・ザ・フープルにけっこう合ったと思う。
言ってみれば
バイオレンスギター。
好きですわ、これ。
モーガン・フィッシャーのピアノとともに
このライブ盤の味わいの決め手で、スタジオ盤より、バイオレンスさ、セクシーさをモットらしく彩っている。
A面頭の「メンフィスからの道」ピアノの胸踊るスタートの合図からの展開。
A面最後の「ウォーキング・ウイズ・マウンテン」ギターの豪快なバイオレンスギター。
たまりません。

そして、
当時のB面最後のメドレーが圧巻。

Medley" : "Jerkin' Crocus" / "One of the Boys" / "Rock & Roll Queen" / "Get Back" / "Whole Lotta Shakin' Goin On" / "Violence" 

というクレジットだが
ジャーキン・クローカスに続くギターソロの裏に「ユー・リアリー・ガット・ミー」のリフ。
これが気持ちいい!
緩急つけて爆発する「ワン・オブ・ザ・ボーイズ」に続くギターソロがまたかっこいい、次の「ロックンロール・クイーン」のギターリフは、もともと大好きで、初期のモットで最も好きな曲でした。
繋ぎの部分でのドラムの暴れっぷりも気持ち良い。
ベースの硬質な音色も気持ち良い。
渾沌としたなか
イアン・ハンターが歌いだす「ゲット・バッグ」に続き
ベースギターが「ピーターガンのテーマ」を繰り出し、それにのせて、「ホール・ロッタ・シェイキン」をつぶやくように歌う。
そして
モットには売れるきっかけをくれた恩人ボウイの曲の「ジーン・ジニー」を一節歌うのが、また良いのだよねえ。
ギターが「バイオレンス」のフレーズ弾くと、最初はつぶやくように、そしてシャウトする。
ギターがまた伸びやかに歌いだす。
そして
「ユー・リアリー・ガット・ミー」のバッキングで頂点に。  
ほんと見事なスリル満点な展開のメドレー。
大好きだあ! 

このメドレー
歌はないが
バッキングだけ演奏する「ユー・リアリー・ガット・ミー」が気持ちよく
初めて聴いたとき
見事に心に刺さった。
もともと、キンクスの大好きだった。
後に違うとされたが
昔は、キンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」は、スタジオミュージシャンだったジミー・ペイジが弾いたという説があった。
本人は「たくさんセッションしたから覚えていない」ととぼけ、
半ば、ファンの願望もあるのか、定説だった。
後に、
レイ・デイビスが「あれは、兄が弾いてる」と主張し、その伝説は消えた。
ファンとしては、ジミー・ペイジが弾いたことにしてくれたら、当時からハードなギターリフを弾いてたと、かっこいい伝説のままのほうが良かったのになあ、と思う。
兄のプライドを保つより
そのままジミー・ペイジが参加してたとしたら
ツェッペリンのファンもキンクスのレコード買ってくれるのになあ、などと私は嘆いたっけ。
伝説というのは
ある意味、真実はいらないんじゃないかな。
カッコいい伝説は、そのまま伝説で、と思う。

また、今朝、モットのこれを聴きたくなったのは、デリンジャーのライブで、「ロックンロール・フー・チー・クー」の後半のリックのアドリブの部分で、突然に「ユー・リアリー・ガット・ミー」を、ハードにワンコーラスやるとこがあり、初めて聴いたとき、かっこよさにぶっ飛んだ記憶があるからだ。
曲目なしでの突然の「ユー・リアリー・ガット・ミー」、実にカッコよかった。

いま、思い出したが
フィル・マンザネラがブライアン・イーノとかと801というバンドを組んでの
「801ライブ」
これでの終盤の「ユー・リアリー・ガット・ミー」もびっくりしたなあ。
これは、FMで聴いていて、曲目も知らずに聴いていたら、やってんだよね。
あまりハードめではないが、カッコよかったんだ。
やはり、この曲のギターリフ
最高だね。
ちなみに
昔、土曜午後からは関東各地のNHK -FMの各局が様々なオリジナル番組をやっていて
水戸支局は、かなりの通好みのロック番組をやっていて、ある年の年間ベストワンがこの「801ライブ」だった。

あ、これは書いておかないとな
モットは、もともと1969年くらいのファーストアルバムの一曲目が、インストの「ユー・リアリー・ガット・ミー」で、彼らがこの曲をライブで歌無しでやっても、なんの不思議もない。
このLPは輸入盤屋で安かったのと、この曲が入ってるから、買ったものだ。
何枚目の作品かも、よく知らずに。
ちなみに
イアン・ハンター
このころは、ディランの影響まんまのボーカルスタイルでした。
バンドもロック化時代のディランみたいに、オルガンとピアノが両方いるスタイル。
バンドがそういうのやりたくて、ディランみたいなボーカルを求めて、オーディションにきたのがイアン・ハンターじゃなかったかな。

まあ、いろいろ脱線したが
このモット・ザ・フープルのライブ
大好きなんです。
メドレーだけでなく
素晴らしい曲ばかり。
こんなピークの時のステージ模様が録音されて
良かったなあ。
まあ、出来ることなら
映像もあればなあ。

また
何年か前
下北沢の小さいホールで観たイアン・ハンター
涙無しではいられませんでした。
オールスタンディングで脚は辛かったが
幸せなひとときでした。

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