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『春は遠き夢の果てに』第二部、アップ開始いたします。 今回は一挙公開はやめて、毎日一章ず…
第二部 春は遠き夢の果てに 一 疎水沿いに植えられた桜並木の下を、優…
二 「それにしてもさあ、ゆきぃ、いきなり人に飛びかかるクセ、たいがいにせんとあ…
三 木製のベンチに腰かけて、小川の流れを見るともなく見下ろしている。 少し…
四 「初めて逢った時のことな、こうも言うててん『ゆきちゃん、ちょうちょのおにいち…
五 すれ違い困難な道幅が続き、合っているのか不安になるくらい、長くて薄暗い峠…
六 萱葺きの母屋の向かって右側、少し離れた場所に、木造の平屋が存在する。なんとなく気になって眺めていると、「長期滞在者」用に建て増ししたものであると、美佳が教えてくれた。 間口の広い母屋の玄関に入ると、土、木材、藁などが入り混じったような、甘く胸をくすぐる懐かしい香りに加えて、微かに梅花の匂いを感じたように思えた。 夢見るような心地で、左手の上がり框(かまち)から入室する。思っていたより中は広い。墨書の山水画が描かれた襖は開かれていて、田の字型になっている間
七 やわからい微笑みをうかべたまま、静枝は袱紗を受け取ると、両手で包み込んで…
八 「じゃ、優希のこと、よろしくね。ちょっと時間かかっちゃうかも知れないけど」…
九 レナちゃんのことを話すには、まずおばあちゃんがどんなことをしてたのか、聞…
十 次にレナちゃんに会ったのは、三ヵ月後の年末のこと。 「おかえり」って、お…