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『映像』と『音』のハーモニー ー短歌を習うー
短歌を学ぶ機会をいただいた時のお話です。
私も文章を日々書いていると、だんだん書く内容も似通ってくるものですから新しい発想が欲しかったし、何より世代も性別もバラバラなお友達との角度を変えた交流が楽しみでした。
まずは「短歌」について。
ご存知かと思いますが、短歌は全体が31文字。
そして、各句が5・7・5・7・7と字数が決められています。
また、俳句には季語が必要ですが、短歌には季語を入れるという決まりはありません。
俳句より字数が多くて長さもあるので、時間の経過を詠み込んだり、ストーリー性を織り込むことも可能です。
実際にたくさんの短歌を見せてもらったのですが、
「『映像』と『音』の31文字のハーモニー」
という印象でした。
紹介していただいた10人の歌人の方の作品はまったく印象の被るものはなく、参加者の方がそれぞれの気に入った作品もバラバラ。
これがまず、非常に興味深かったです。
途中のブリッジを介して『映像』から『音』の世界に切り替わるテクニカルな歌もあったりして、そこは「スゴいな」と感心しました。
中でも私が最も印象に残ったのは、小島ゆかりさんのこの歌です。
空き缶と 落ち葉ころがる くだり坂
空き缶はふかく 落ちつづけたり
「空き缶」と「落ち葉」。
質量の違う2つが同時に下り坂を落ちていく様を表現した歌ですね。
「空き缶」は「落ち葉」より重いですから、より「早く」落ちていきます。この様子を「ふかく」と表現しているところに、小島さんのセンスを感じました。
「落ちる」の修飾語に「ふかく」はおかしくはないけれども、ちょっと思い浮かばないですよね。
このことで「落ちていく」様が、よりリアルに映像として浮かんできます。
「ふかく」にすることで「美しい」に「怖い」という印象も付け加わって、より趣深い歌になっていると感じます。
もう一つ、気になった歌があります。田宮智美さんの作品です。
溺れたり 流されたりも できなくて
わたしはわたしの ままの水底
流れるような『音』の流れで、読みやすいですよね。わたしはラップが好きなんですが、韻も踏まれていて音楽的な部分も感じました。
あと気付いたのは、『落ちる』『水底』などの「落ちていくさま」を私は美しいと捉えているんだなあとわかったのも新鮮でした。
ここら辺の感覚について深掘りしてみようかななんて考えると楽しいですね。参加して本当に良かったと思います。
さて習った後の実践なんですが、これが全然思い付きません(笑)。
自由度が高いとはいえ、何せ31文字という制限があります。これが何とも難しい。
制限があるからこそ、そこを突破する面白みがあると思うのですが・・・。
自分が伝えたいことがたくさんあっても全部は詰め込め切れないし、詰め込めたとしても逆に焦点がぼやける印象になってしまう。
自分が伝えたい『核』を中心に据え、どう語順などを組み立てていくか?なんて、頭でっかちに考えてはみましたが・・・。
出来な~い。
そこで最後の手段。
「ラップからインスピレーション」作戦を実行しました。これは楽しかった。
SOUL SCREAM、BUDDHA BRAND、LAMP EYE。
懐かしのヒップホップの名曲は短歌的にも感じてカッコいい。至福のひとときでした。
そして、翌日の仕事中にやっと1つ歌を思い付きました。
出来は酷いので(笑)、お披露目は自主規制したいと思います。
レベルアップはおいおいということで、あしからず。まずは「やってみる」ことが大事。
「短歌のある」生活は、結構楽しいです。
『NOTE』でも学びを活かせたらと思います。