名作劇場「童話の世界から:海外編」vol.14『アリとキリギリス』(イソップ童話)
イソップ寓話のひとつ。将来に備えることの大切さを説く。
ギリシャ語の寓話では、内容のよく似た「蟻とセンチコガネ」
(ペリー・インデックス112番)と「蝉と蟻」276(同373番)の2種類がある。
【あらすじ(ダ・ヴィンチより)】
ある暑い夏の日、キリギリスは歌いながら得意のバイオリンを奏で、夏を謳歌していました。そこに食べ物を懸命に運ぶアリの行列が通りかかります。
「暑い中、なぜ働いているんだろう」と思ったキリギリスはアリたちに尋ねました。すると、アリたちは「食料がなくなってしまう冬に備えて、食料を備蓄している」といいます。キリギリスにはそんなアリたちが信じられません。
やがて秋が来てもキリギリスは楽しくバイオリンを弾いて歌い続け、対照にアリたちは冬の準備に余念がありません。そして、いよいよ冬が到来しました。
食べ物が取れなくなり、夏、秋と遊び呆けていたキリギリスにはもちろん
備蓄食料なんてありません。空腹と寒さで困窮しているキリギリスは、冬であるにもかかわらず暖かそうに暮らしている家を見つけます。
その家をのぞき込み見たものは、キリギリスが音楽に興じている間も働き続けたアリたちの姿でした。やせ細り、餓死寸前のキリギリスは、アリたちに食べ物を分けてほしいと懇願します。しかし「夏に歌っていたなら、冬は踊ったらどうですか?」とアリたちは取り合ってくれません。
アリに見放されたキリギリスは、空腹を抱えたまま凍死してしまいました。
【童話「アリとキリギリス」が教える教訓】
人間は働かなければならないときはよく働くこと が大切であり、怠けていてはその報いを受けるという「勧善懲悪思想(良い ことをすすめ悪いことをこらしめる)」の戒めや「備えあれば憂いなし」という教訓を説いたおとぎ話です。
でも、アリとキリギリス。どちらが幸せなのかどうかは評価が分かれるところであります。毎日一生懸命に働いて、冬に備えて備蓄もしたので冬を越せたアリは一見幸せそうですが、冬を越せなかったけれど好きな歌に生活を捧げることができたキリギリスも幸せであるようにも思えますが?
【その他】
真面目に働くことの大切さや、将来のことを考えて努力することの大切さを教訓とする物語とされています。
キリギリスが迎えるラストは因果応報的な死として描かれていますが、現代では仲直りし、アリから食べ物を分けてもらい改心するという展開が多いようですが、どう思うかはあなた次第です!
いつでもどこでも誰とでも仲良く、そして真面目に一生懸命陰ひなたなく働く。
それが人生ってものです・・・なんて言いたいけど自分には似合わないので(笑)