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正しく使えますか?誤りがちな日本語表現 vol.5「新規巻き返し」、vol.6「しかめつらしい」

vol.5「新規巻き返し」

【意味】
「新規巻き返し」とは、「新規蒔き直し」の間違った使われ方です。
「新規巻き返し」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。
読み方が似ているため、「新規蒔き直し」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「新規蒔き直し」とは、元に戻ってもう一度新しくやり直すことを意味しています。


【ワンポイント豆知識】
「新規蒔き直し」の「蒔き直し」は、一度蒔いた種子を改めて蒔くことを意味しています。これが転じて、物事を始めからやり直すことという意味で使われるようになりました。

「新規巻き返し」と「新規蒔き直し」を間違えてしまう理由としては、「かえし」と「なおし」の発音が似ているため、混同して覚えてしまっていることが原因になります。

ではなぜ「新規巻き返し」が間違いかというと、「巻き返し」は劣勢から態勢を立て直して反撃することを意味しているので、新しく事をすることを意味する「新規」と組み合わせるとおかしな意味になってしまうからです。

「新規巻き返し」は間違った日本語ではあるのですが、文化庁が発表した令和元年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい使い方である「新規
蒔き直し」を使う人が42.7%、間違った使い方である「新規巻き返し」を使う人が44.4%という逆転した結果が出ています。

正直知りませんでした、日本語って難しいのですね!


vol.6「しかめつらしい」

【意味】
「しかめつらしい」とは「しかつめらしい」の間違った使い方、
「しかつめらしい」とは真面目腐っていて堅苦しいことです。

読み方が似ていることから、「しかつめらしい」のことを間違えて
「しかめつらしい」を使っている人がほとんどです。


【ワンポイント豆知識】
「しかめつらしい」と「しかつめらしい」を間違えてしまう一番の理由は発音が似ているからです。また、似た言葉である「しかめっつら」とも発音が似ているので混同してしまっていることが多くみられます。

「しかつめらしい」の語源は「しかりつべくあらし」になります。

「しかりつべくあらし」が簡略化され「しかつべらしい」になり、それがさらに音変化したのが「しかつめらしい」です。

「しかつめらしい」を漢字にすると「鹿爪らしい」と表記することができますが、あまり一般的ではないので平仮名で書くのが無難でしょう。

また、「鹿爪」という漢字はただの当て字であり鹿の爪とは全く関係がありません。

何とも似てはいますが誤字とはビックリ、調べてみるものですね!

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