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日本語は難しい?使い方間違っていませんか?Vol.12「他山の石(たざんのいし)」

直接の意味は“よその山から出たつまらない石”ですが、ここから転じて、「自分にとって戒めとなる、他人の誤った言行」、という意味で使われるようになりました。

つまり、他人の誤った行いを、自分の学びにしようということですね。

ちなみに、「悪いたとえ」を指すときに「他山の石」という言葉は使われますが、「いいたとえ」を指すときには使われません。

由来(成り立ち)
「他山の石」は、中国最古の詩集、『詩経(しきょう)』に由来します。『詩経』の中の「小雅(しょうが)・鶴鳴(かくめい)」の部分に、「他山石可以攻玉(他山の石以って玉を攻<おさ>むべし)」といった言葉が出てきます。

この漢詩の意味は、「よその山から採掘した質の悪い石でも、碇石(といし)に使えば自分の玉(宝石)を磨くのに役に立てることができる」ということ。

転じて、他人の誤った言行(=よその山から採掘した質の悪い石)は、自分にとって戒めとなる(=碇石に使えば自分の玉(宝石)を磨くのに役に立てることができる)という意味になったのです。

ところで、「他山の石」という言葉を誤って使っている人は、22.6%いるという結果が出ています(平成25年度「国語に関する世論調査」文化庁)。
「他人のいい言行を自分の手本にする」という意味で、「他山の石」を
使っているようです。

本当の意味は「他人の誤りを自分の戒めとする」ときに使う言葉。

勘違いしやすいポイントなので、誤った使い方をしないよう、注意。

「他山の石」使い方、例文
1:「批判を浴びたA社の謝罪会見は、多くの会社にとって、他山の石となるだろう」
2:「他人の失敗を笑っていても仕方がない。他山の石として自己研鑽に努めよう」
3:「小さなミスの積み重ねが生んだ大きな事故を、他山の石以って玉を攻むべしとすべきだ」

類語:1.人のふり見て我がふり直せ 2.人を以て鑑と為す
対義語:1.爪の垢を煎じて飲む 2.朱に交われば赤くなる

「他山の石」は、字面だけでは正確な意味は分かりかねます。

知識で補わない限り、理解のできない言葉です。

今もなお使われている故事成語には、多くの人生訓が詰まっています。

改めて学び直してみれば、学生時代に教わった時よりも、深く感銘を受けます。

知っている、聞いたことある、字面からすればきっと○○の意味?

曖昧な思い込みはことある毎に調べてみることが大切!

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