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日本語は難しい?使い方間違っていませんか?Vol.4「煮詰まる(につまる)」

煮詰まるとは、物事が進展しなくなる状態を指す言葉である。

具体的には、問題解決のためのアイデアが出なくなったり、物事が順調に進まなくなったりする状況を指す。

煮詰まるは、物事が行き詰まるという意味合いも含んでいる。

「煮詰まる」は由来は料理用語の「煮詰める」で、「煮物料理を十分に煮詰めて完成が近くなった状態」から「十分な議論を行い結論が出せる状態」を意味するようになりました。

料理も食材を十分に煮詰めると味の染み込んだ逸品に仕上がりますが、内容の濃い話し合いを続ければ議論の結論を出しても良いと判断され「煮詰まった」と表現します。

「煮詰まる」は誤用されやすい言葉なので、ビジネスシーンで使う場合にも注意しましょう。

とくに多いのは「話がそれ以上進まず行き詰まった」の意味で使われるケースです。

あくまでも「議論が熟して最終的な判断を下せる状態」になったときに使うので、マイナスの意味合いは含まれません。議論が行き詰まって話が進まなくなったときには「煮詰まらない」を使います。

しかし、文化庁の「国語に関する世論調査」によれば、16歳から30代の若い世代で70%近くが「煮詰まる」の意味を「議論が行き詰まった」「物事が先に進まない」などの意味と勘違いしています。

逆に、40代以上の多くは正しい意味を理解しているので、「煮詰まる」は世代間による認識の違いが大きい言葉と言えるでしょう。

この現象を反映してか、「広辞苑 第6版」と「日本国語大辞典 第2版」以降は「煮詰まる」の意味に「問題や課題や発展せず行き詰まる」が加えられました。

世代や使う人によって解釈が異なると、意思の疎通がスムーズにいきません。

若い部下が行き詰まりを感じて「会議が煮詰まっています」と上司に報告しても、聞いた上司は「結論が出るのも時間の問題だな」と良い方向に受け取る可能性さえあるでしょう。

誤った解釈が多いのは、「行き詰まる」と「煮詰まる」の音が似ていることや、料理を煮込みすぎて失敗したイメージから「どうにもならない」という意味に転じたことなどが原因として考えられています。

どちらの意味も理解できますし普段の生活の中でも確かに使い方違います。

考えてみたら自分も両方の使い方をしていたような気がします。

だから会話や議論がかみ合わなかったのかも~なんてこともあるかもです。

言葉は正しく使ってナンボですが、独り歩きして変化していく場合もありますので注意して生きて来たいと思います!

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