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役員と話す機会から見る組織の問題認識に関する考察
今年やってよかったこと Advent Calendar 2024
会社によって存在する、役員との面談。
最初こそ有意義なものの、回を重ねるごとに無意味になっていく会社が多いのが実情です。
この原因は、話を重ねるうちに、役員が組織の問題をどのように捉えているのか、その認識の浅さが明確になるからです。
役員の話の中で出てくる問題点は、ヒアリングした事象を単純に列挙したものに過ぎず、「それらの問題がなぜ発生しているのか」「問題同士がどのように関連しているのか」という本質的な理解が完全に欠けていることに気付かされます。
普通に考えれば分かりますが、組織A部に問題がある場合、最低でも組織A部のカウンターパートに当たる組織B部にも別の問題がある可能性が極めて高くなります。
現実は、1つの問題が複数の組織間で異なる問題として表れている事がほとんどです。
懸念されるのは、経営層でありながら、組織の課題を断片的にしか見ていない点です。
問題の背景にある構造的な要因や、それらが組織全体にどのような影響を及ぼしているのかという視点が見られません。
それどころか、上がっている問題点の中に矛盾するものがあることすら気づけない人も少なくありません。
このような状況では、いくら時間をかけて話しても、建設的な議論や実効性のある解決策を見出すことは難しいでしょう。
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現場から吸い上げた課題を総括していくと、それなりの職位がある人にしか出来ない、組織横断的な働きが求められます。
それを踏まえた上で、現状の共有ではなく、現状を踏まえた上で将来どうするのか?という具体的な案を示さなければなりません。
これができないのは「課題を点の羅列として捉えており、線や面に出来ていない」からです。
率直に言えば、このレベルの問題認識では、役員との対話自体が形骸化するのは自明です。
単なる問題点の共有ではなく、本質的な課題の掘り下げと、具体的な解決策の検討が必要だと強く認識させられました。
組織の未来を考える上で、これは見過ごすことのできない重要な発見だと言えます。
職位的に上位と下位の人が傾聴を踏まえたコミュニケーションをするのは良い事ですが、共有会や面談をしたという既成事実が重要なのであれば、お粗末極まりないですね。