最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55 - 簡易書籍レビュー
書籍タイトル:
最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55
著者:
原田将嗣 (著), 石井遼介 (監修)
ジャンル:
ビジネス一般
出版年:
2022/8/6
飛鳥新社
要約:
心理的安全性というよりも、ハラスメントにならないような言葉選びがまとめられている書籍。
咄嗟に出てしまう可能性のあるキツイ言葉の言い換え集。
育ちのいい人が使いそうな言い回しの例が記載されている。
たまにフレーズのチョイスとして言い換えにならないものもあり、下手に丸コピするとストローマンになりかねないので注意。
良かった点:
言葉選びの参考になる。
1on1など本来慎重に対話を進めた方が良い言葉選びや進め方が書かれており、行う側として見るとこの部分は非常に良い。
言葉のチョイスが章ごとに分かれているので読みやすい。
良くない点:
無理矢理言葉を集めた感のある書籍のため、時折、この本を参考にするとキラキラやり取りになってしまう箇所が多々みられる。
この言葉の言い換えがこのフレーズにはならないだろうって言い回しが結構ある。
おすすめ読者:
ハラスメントをする人や、強い言葉を使ったときに相手がどういった心理的負担が発生するかを理解できていないような人にはお勧め。ただし、こういった人がこの本を読んで理解、実践できるかは疑問。
1on1を行う側の人は一読した方がいい。
総評:
ハラスメント対策のキラキラ語彙集なので、書籍のフレーズが妥当かを読み選ぶのがめんどくさい。
典型的な日本人のお坊ちゃんお嬢ちゃん的な、心理的安全性の誤解釈で、提唱者のそれと異なり、おままごと的な感じがして期待はずれ。
この内容だと日本企業特有の忖度が求められる職場になりそう。この辺りについては、「心理的安全性 最強の教科書 単行本 – ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)」を読んで欲しい。
引用フレーズ:
なし
あくまで個人的な感想:
ハラスメント対策の語彙集なので期待はずれでした。
1on1の部分は、多くの組織が本来あるべき1on1としての対話になっていないケースが圧倒的に多いので、参考になる人が多いと思います。
心理的安全性という言葉自体、提唱者であるエイミー・エドモンドソン氏の内容がフィーチャーされず、一人歩きしています。
この本は本来提唱されている心理的安全性の説明や補助ではなく、ハラスメント対策本です。
ハラスメント自体は企業側が対策を行う必要があるので、ハラスメントを行う人に指導する立場の人は読んで実践や説明しても良いと思います。ハラスメントをしてしまう人がこれを実戦出来るかは懐疑的ですが…
心理的安全性について学びたいのであれば、提唱者のエイミー・C・エドモンドソン氏の書籍を読んでみてください。