アラフィフ サラリーマンおやじの和歌山県由良町滞在記 #1
きっかけ
11月初旬、一人和歌山県由良町という所に降り立った。目的は(社)九州のムラと由良町のみかん農家さん、由良町役場が一体となって主催された、6泊7日の みかん収穫体験のイベントに応募し、それに選ばれた事である。
途中祝日があったので、溜まっていた有休を使い参加することが出来た。
初日
紀伊由良駅という無人駅に到着、その後出迎えのハイヤーに乗り込み、一路滞在先の旅館にてオリエンテーションを行う。
参加者は男女各4名、合計8名、大学生から社会人、全国各地から集まっていた、もちろん皆さん初対面。
部屋は海の見える個室を用意していただき、3食付きという最高の条件だった。
夕食は食堂で一同で会したが緊張からか完全に黙食、その後自室に戻り、明日からのスケジュールの為早めに床につく。
2日目
最初に選果場という所で由良みかんについての講義と場内の見学を行う。
みかんには収穫時期によって、名称が違う事を初めて知った。また、センサーでみかんの糖度が判るとのことで、この由良町で採れるみかんは由良早生みかんというブランドがついていることも初めて知った。
その後、由良早生みかん発祥の記念碑を見学し、ご当地グルメの由良チャンポンを賞味する。
午後からは、日本のエーゲ海と言われる白崎海洋公園へ移動。
テレビで何度か見た程度であるが、実際に訪れるとその美しさに納得。映画のロケ地、有名ミュージシャンのMVにも使用されていることも初めて知る。
同公園内に併設されている、道の駅にて日本農業の現状、役場の方から由良町の説明、地域おこし協力隊の活動内容について説明を受ける。
2日目は、これにて終了。正直、初めて知ることばかりで中身の濃い一日となった。
この日の夕食時もまだ、あまり多くの会話もなく自室に戻り早めの就寝。波の音が最高に心地いい。
3日目
本日から、3つの農家さんに3グループに別れて実作業を体験、最初は剪定挟を使用して、みかんの収穫。この剪定挟が会社のお客さま製品であることが分かり、妙な親近感を覚える。天候もよく、黙々と作業を行う。
午後からは、3グループ合同で、収穫したみかんの選別作業を行う。これは家庭選果と呼ばれ、選果場に出荷するみかんを大きさ、キズがないかを専用のコンベア機を使い目視で仕分けを行う。農家さんは手際よく選別されていたが、かなり集中力の入る作業であると感じた。
作業終了後、宿に戻り夕食をとる。さすがに、3日目なるとメンバー同士の気心も知れるようになり、会話も弾む。
その後は自然と反省会という名の会合になり、更にお互いを知ることになる。
4日目
グループが変更となり、別の農家さんでの作業となる。こちらの農家さんは海が見渡せる場所にあり、素晴らしい景色のなかでの作業となった。
収穫作業の他に、セミノール、カラマンダリンという、4-5月あたりに収穫される柑橘種の袋かけ作業を行う。これは、サンテと呼ばれる繊維状の袋を果実にまるまる覆う作業で、日光を遮断し出荷時の果実の色を最適にする作業とのこと。農家さんの地道な作業に頭が下がる。
これだけ手間がかかる分、お値段もそこそこするらしい。
この日も夕食後の反省会で大いに盛り上がる。
農家さんで生産されている、みかんジュース(特に八朔)とウオッカと炭酸水が絶妙な配合であることが発見された。
5日目
この日も、4日目と同じ農家さんで肥えかけという作業を行う、これはみかんの木のまわりに、粒上の肥料を専用の籠に入れて作業でまく作業である。籠はかなりの重量になるので、こちらはかなりの重労働であると感じた。肥料も各農家さんで違う種類を使用してるとのこと。一見地道な作業であるがこの作業はみかんの発育に非常に重要であることを学ぶ。
夕食後の反省会は自然に開催されるようになった、長らく仕事以外の人との会話することもなく、ましてや親子ほどの年の差であってもおかしくない、大学生さんたちと会話は非常に新鮮であり、学ぶことも多々あった。
6日目
私は、翌日の法要のためこの日が最終日となる、夜明け前に起床し宿から白崎海洋公園までの往復約12キロをジョギングし、作業に臨む。
作業は早めに終了し、この夜は、農家さん、役場の方が屋外でのバーベキューを用意していただいた、お肉はもちろん、ジビエの燻製、伊勢海老で最後の夜を労っていただいた。
私は、帰りの電車の時間がせまり、途中で退席をさせていただいた。帰りの車中なにか、夢のような一週間であったとしみじみ思う。
今回集まった8人は奇跡のメンバーと思いたい、その後それぞれの生活に戻っていくが、農家さんも含めてこのご縁を忘れることは無いだろう。
その後
翌月曜日から、日常生活に戻った。しかし、なにか忘れ物をした感じがしてならない。そのことが気にかかり仕事も手につかない、自宅からそれ程遠くないので、近日中に休みが取れたら再度伺おうと思う。
後日、収穫したみかんが自宅に届いた、やはり美味い。
続く