いまいちど世界幸福度調査から感じる”利他的行動”の大切さ
みなさん、こんにちは!
世界幸福度調査ってご存知ですか?
「そんなのあったなー」「確か日本って…」「そんなの知らないよ」っていう方いろいろだと思います。
毎年ランキングが発表されたときには盛り上がりますが、それで終わってしまうのはもったいないと思ったので、忘れられた頃であろう今改めて触れてみたいと思います。
この調査は2022年の報告で10回目を迎えたもので、最新の報告では146ヶ国の幸福度ランキングが掲載されています。
日本のランキングも気になるところですが、その前に…
「みなさんにとって幸福とは何ですか?」
きっとひとりひとり違うイメージや考えを抱いているのではないかと思います。
幸せの形は人によって異なると思いますので、みなさんが抱く考えは否定されるべきものではありませんし、もっと声に出して表現し合えるような環境ができていくと良いなと常々思っています。
…ただ、この調査とみなさんの抱く幸福のイメージが異なる場合があることに気を付けて頂きたいと考えています。
世界幸福度調査はあくまで”調査”なので、幸福度を測る基準があるんです。
そして、その基準を知ることでランキングが高い低いで終わるのではなく、これからより良い個人の人生や社会を作っていくためにできることを冷静に考えられるようになります。
ちなみに、日本は54位でした(さらっとお伝えする理由は他国と比較するよりもこれからどうするかの方が大切だと思うからです!)
では、まずはこの調査における幸福度の6つの基準+αを紹介します。
①GDP
②社会的なサポート
③健康寿命
④人生の選択における自由度
⑤寛容さ(チャリティー、寄付などをしているかどうか)
⑥国の腐敗認識(国内の政治/ビジネスで腐敗が蔓延しているかどうか)
+α:人生の満足度(0~10段階評価)、ポジティブ/ネガティブ感情経験
これらの基準を総合してランキングが出されているというわけですね。
次に、各項目の日本の順位を見てみましょう。
①GDP:28位
②社会的なサポート:48位
③健康寿命:1位
④人生の選択における自由度:74位
⑤寛容さ:127位
⑥国の腐敗認識:113位(順位が低い方が良い項目です)
・ポジティブ感情:67位
・ネガティブ感情:135位(順位が低い方が良い項目です)
(人生の満足度については全ての国をまとめた平均値が5.5でした)
いかがでしょうか?
僕はこの各順位を見たときに「寿命が長いのであれば、より幸福度の高い国づくりをしていきたい!」と感じました。
では、どうやってより幸福度の高い環境が作れるのでしょうか?
世界幸福度調査に目を通してみるといくつかのヒントが見つかりましたが、その中でも最も大きな要因は「ポジティブ感情」でした。
調査報告の中でポジティブ感情を感じることが人生をより良く認識することに繋がるとされています。
ここで気になるのは、どうやったらポジティブ感情を感じられるのか?ですよね。それもこの調査報告に日常に活かせるヒントがありました。
ポジティブ感情に大きく影響を与えるものとして「社会的なサポート」「人生の選択における自由度」「寛容さ」の3つが挙げられている一方、「社会的なサポート」と「人生の選択における自由度」はネガティブ感情を減少させるための要因としても報告されています。
さて、ここまでの要素を見てみなさんは何をすることが良いと思いますか?
僕はこれらのヒントから考えられる幸福度向上施策として「利他的な行動(他者に貢献する行動)」を推進したいと考えました。
主な理由は下記の3点です。
①利他的な行動は感謝の気持ちを生み、相互作用が生まれやすくなる
②サポートは受けているときよりも提供しているときの方がポジティブ感情を感じられる
③利他的な行動は観察した第三者にも良い影響を与える
ここでぜひ③のイメージを膨らませたいのですが、今回の記事に使用してある画像を思い出してください。水の波紋ですね。
ある人が他者のために貢献する行動を起こしたとします、それがひとつの波紋となり周りに広がっていきます。そして、その波紋の中にいた人がさらに次に貢献する行動を起こして新たな波紋を起こします。
このようにすごく良い連鎖を生むのがこの利他的な行動なんです。
そして先日の記事でメンタルヘルスには”日常のストレスに対処できる感覚と”コミュニティ(周囲)に貢献できている感覚”が大切だということをお伝えしました。
利他的な行動を起こすことで他者貢献の感覚が得られるだけでなく、利他的行動の波紋が広がることで周りの力を借りながら日常のストレスへも立ち向かえるようになるんです。
日常のストレスに対処できる、と言われると自分一人でなんとかしないといけないイメージが湧いてしまいそうですが、助け合って対処していけば良いんです。困らない人はいません。
このあたりで世界幸福度調査でのポジティブな感情に良い影響を与える要素を振り返ってみましょう。
「社会的なサポート」「人生の選択における自由度」「寛容さ」でしたね。
利他的な行動を選択することで、社会的なサポートが広がり、寛容さが満たされていくことが考えられます。
また、他者のための行動を積極的に選択することで相互作用が生まれ、関係性の幅も広がることが想定されるので、これまで思いもしなかった選択肢も増えていくのではないでしょうか。
人は人との関りを通して自分という感覚を育んでいくと言われます。
他者に貢献しながら自分を見つけ、広がった可能性の中で自分に合う選択肢を探していけるとすごく良いのではと考えています。
さらに、このように考えていくとネガティブ感情減少のための要因である「社会的なサポート」「人生の選択における自由度」もカバーできますよね。
いかがだったでしょうか?
ランキングと言われるとその順位にどうしても目が向きがちですが、現状をより良くするためには何ができるのかを考えた方が建設的ですよね。
日本はまだまだ伸びしろに溢れているということですね。
ぜひこれを機により良い社会にしていくために何ができるのか、一緒に考えていきましょう!