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2回表「それから」


誰か慌ただしくドア前を馳けて行く足音がした時、頭の上には、靴が宙を舞っていた。そんなこともあった後に、途中でシンジケーションへのポジション替え。

こちらもキレキレかつ厳しい先輩方ばかり。隣の事業法人部もすごそうな人ばかり。KTさんも昔から貫禄のある方。今じゃ有名なMRさんは穏やか。こちらはだいぶ朝が早くなり、朝会は常務の後ろの席に座り睡魔と戦ってました。雰囲気はやはりマーケット的なピリピリ感もあり。株の方はむしろ穏やかですが、債券はセンシティブでした。相変わらず、皆さん優秀なので何も言えず。自分の自信のなさを理解してか、飲みにはよく連れて行っていただいたが、心底楽しめないことが多く。週末の同期とのカラオケか、たまに先輩の車で行く草サッカーの試合(検見川は近いが、熊谷は遠かった)などが息抜きでした。でもそんなきっかけで高校時代の同級生ON君にばったり会うこともあり、その彼とは近くに住んでいたけど、通学途中に交通事故にあったときに、伝言をお願いしたくらいでしたが、高校時代以上に仲良くなり、今でもつかず離れず会っています。このころ同期からは目論見書余っていたら送ってほしい、営業に使うから、と優秀なKK君から内線でオーダーが。支店と本社の情報格差の違いがありました。営業企画部はそのギャップを埋めるべく、支店のエースが異動で集まっていました。

ようやく打線に火が付いたのは、部署対抗野球大会の時、出場は若手中心。三塁側のベンチが我が部。対戦相手は同じ本社のクオンツ部。ピッチャーは優しいながらも難しいことを難しく言うSDさん。SN社のストックオプションの値付けの際にさんざんお世話になりました。まだブラックショールズか二項分布かぐらいの時代。ファインナンシャルエンジニアリングを読めと言われたがさすがに微分かんぷん。DK園でアップした成果をと思い、思い切り引っ張った打球は我が部のベンチ直撃。のどかな春の日にピクニック気分で来ていた先輩家族を襲う鋭い打球。普段温厚な先輩も会社でありえないような声を荒げていました。ピッチャーは爆笑していました。CB支店の同期と再会し、グラウンドで車座になって雑談。支店長が空手の有段者で怖いという話を聞き、本店はまだそんな人いないか、いや、いるわ。とどこも一緒だな。

同期は大体2人セットで配属になるのですが、インターナショナルな部に行った二人は、いかにもな二人。ある日沿線の寮に呼び出され、飲もうよ。と。お互いどうなの、どんなことしてるの、と話しながらも、聞いたところ相方の悪口、というか俺の方が仕事ができる的な。。その一週間後くらいにもう一人から「たまには焼肉でも行かない」と誘われ、焼肉屋に。お互いどうなの、どんなことしてるの。みたいな話から始まり、後半は本題の相方の悪口。というかあいつは駄目だなあ的な。何という偶然かと思いながら、世の中のライバルとはこんなものかと。でもどっちがいいかって言ったら、「話聞いてくれてありがとな」と言って焼肉おごってくれた同期に決まってるじゃん。どっちがどっちだか忘れたけど。ということで挟殺でスリーアウトチェンジ。

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