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『ベリーショート』おばあちゃんの言う天界


『おばあちゃんは、天界に住んでたって言ってた。天界ってどんな所だったんだろう』

やっちゃんは、天界のことをもっと知りたいと思った。

『地球が変わって来たからね』

って、おばあちゃんは言ってた。それも、どういうことなのか、わからない。

やっちゃんは、お父さんの書斎に行き、大きな図鑑を手に取った。

「重い、、けど、見たいから」

やっとの思いでやっちゃんは、自分の部屋に図鑑を運び、広げてみた。

「あ、地球の地図だ」

図鑑を広げると日本が真ん中にある地球の地図が描かれていた。

「アメリカ、あとは、ヨーロッパ、アフリカ、えっ、日本って、こんなに小さいの?」

やっちゃんは、日本がとても小さな国だとはじめて知った。

「これじゃ、天界のこと、わからないや」

やっちゃんは、おばあちゃんを探した。

「おばあちゃん、どこ〜」

「はーい、やっちゃん、なあに?」

おばあちゃんは、庭で花の周りの雑草を取っていた。

「きれいな花だね。おばあちゃんが大切にしてくれるから、お花さん、喜んでるね」

やっちゃんは、思ったことをすぐに言葉にする。

「ふふ、やっちゃんはお花、好きだものね。だから、きれいにしてるんだよ」

何を言っても、すぐに分かってしまうおばあちゃんって、すごいなぁと思った。

「ねぇ、おばあちゃん、天界のこと、教えて」

おばあちゃんは、すぐに返事は、
しなくて「うーん」という顔をした。

「長い話になってしまうから、やっちゃんが、もう少し大きくなってからでも、いい?」

今度はやっちゃんが「うーん」という顔をした。

「うん、話せるところだけでいいよ」

やっちゃんは、答えた。

「やっちゃん、話せるところだけでいいって、おとなの人みたい。
ふふ、分かったわ。じゃあ話せるところだけね」

と言って、おばあちゃんは、 
ゆっくり話してくれた。

「天界というところは神様の居る場所だったの。おばあちゃんは、神様の『お使い』、うーん、お手伝いをしていたのよ」

「おばあちゃんは神様だったの?」

「そうじゃなくて、おばあちゃんは、人間でね、神様の居る場所をお掃除したり、お片付けしたり、神様が住みやすいように、お手入れをしていたのよ」

「おばあちゃん、スゴイ!ね、ね、神様ってどんな人、じゃなくて、えっと、どんな感じ?」

「神様は、いつも勉強していたわ。地上に住む人が困らないように、気持ちは地上の人たちを思っていた、優しい方よ」

そして、

「いろんな神様がいたのよ。皆んな、地上の事を思っていたわ」

と言った。

『んんと、もっと聞きたいけど、何がいいかな。頭の中が聞きたいことでいっぱいになってる』

やっちゃんは、「わかった。また今度、聞いていい?」と

おばあちゃんに話すと、

「わかったわ、やっちゃん、ふふ
聞きたがりのやっちゃん」

やっちゃんは、ニコっと笑った。

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