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彼女は深く夢を見る
彼女は深い夢を見る
呼吸のリズムを整えながら深く沈む
その感覚は
作り出すという空間に
すっと混ざり合うよう
夢と意識の境目を
ゆっくり進み
物語のなかへと溶けあわさる
幼いころからの夢の感覚
物語はやり直しもでき
何度となく書き換えられる
もう一度
もう一度
何度となく来る眠りの時
何度となく夢を見る
思いをはせる夢
アドベンチャーにファンタジー
不思議なのは
いつも自分が分かっていること
夢を見ているという感覚が
夢の中の自分にもある
夢の中の自分に問うこともでき
何とも説明のしがたい夢の中
夢の中で起こった出来事を
大事だからと覚えるのに必死なのに
どんどん忘れていく
記憶がこぼれていく
深く深く落ちていく
はらはらと舞い散る花弁のように
はじけ散る泡のように
繰り返しの日々
それでも眠りにつくと夢をみる
どんな夢を見るのだろうと
胸躍らせながら
呼吸を整え
彼女は深く夢を見る
たわいもない独り言