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先生、お話聞いて②
前回の後、私はもう歪んだまま生きていくしかないのかもしれないなあと、医者に匙を投げられたとネタにしながら過ごした。
前回言った「対処法がないという対処法が分かる」というのは何かと救われるもので割と活き活きとした1年を過ごすことになる。
友達に誘われるがままに同人誌を制作したり、
二重手術をして顔を変えてみたり、
夜の街で遊んでみたりしていたら、
母親が出ていった時にメンタルがぐちゃぐちゃだった私を、相手にしきれないと判断して離れていった元恋人から2年ぶりに連絡が来たりした。
母が居た時の自分ではやった事ないような事をやって、気が強くなって肥大化していた。
自分の歪みが正せないならば、いっそ私も正しい側に居るとでも思っていた。
次の誕生日が来て、ひと月した頃に妹へ母親から連絡が来る。
私には来ていない、妹にだけ送られてきた「離婚の手伝いをして欲しい」という旨の連絡。
父親と同居していたのは私なのに、私は長女なのに、妹はまだ未成年なのに。
あんまりにも腹が立って、電話越しにこれ程かと怒鳴った。
何年ぶりかと思いながらも見つけ出して話を聞いてやると思って捜索願を出そうとしたら色々とあって警察側から却下された。
分かり易く、物凄く普通に傷付いたので、2年目のメンタルクリニックへの訪問は「まともな感情で居られれば構わない」という一点張りで薬を掻っ攫うことに成功する。
初めて服用した抗不安薬。
平坦になっていく心が不思議だった。
自分を支配していた憤りが怖いくらい引き伸ばされていって「まあいいや」になった。
普段は感情ジェットコースター暴れ馬爆走中の私にとっては想像も出来ない体験だった。
こんなにも空っぽな自分がいるのかと、呆然として、処方された分だけ飲んで、この薬の真似事をすれば生きていけそうだったのでもう行かなかった。
元恋人から連絡が来て、よりを戻すために現恋人と別れる為に色々と準備を進めたり、その陰でこっそり元恋人とデートをしたりだの、次のステージに行くのにとにかく忙しかったのだ。
元恋人は頼めば殴ってくれるし、私の非常識にそここそ肝が据わっていて、それでいて常識人ぶった人柄が良かった。
寄りを戻して、常識人ぶってる彼を参考にしながら、自分も何となく矯正されて行くような日々が続いた。
#自分で選んでよかったこと
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