日本縦断歩き旅《鹿児島編》10日目『絶品黒酢バーガー』霧島~垂水
旅も十日目、鹿児島湾も半分周り、最後の大隅半島へ入る。
旅は残り3日。あと3日で着かないと帰りの飛行機が難しくなる。
この日の行程は40km越え。もはや疲れるとかよりも、多少足が負傷してでもやり遂げる気でいた。
前日は夜中まで歩いたが、気合が入っていたせいか早めに起きれて、出発。
静かな街並み。街がまだ眠っている感じがする。
朝日が強烈。雲が無くて暑くなりそうだ。
道路が広く、車も少ない歩きやすい道を歩く。
写真では伝わらないが、虫の音が絶えず響き渡り、たまに朝の鳥の音がチュンチュンと聞こえてくる。
トンボが多い所がいくつかあり、トンボの羽が朝日でキラキラと反射する。
前日は過酷な道だったが、ここはとてものどかな道だった。
山影で入り涼しい道に入った。
海に戻ってきた。
桜島が見える。
この日はこれからあの向こう側へと歩く。
桜島への道が見えてきた。
この日は暑くなると心配していたが、山林が朝日を背負ってくれて、日影を歩くことができた。
この先、飲食店が少なくなるので、黒酢のお店に立ち寄ってみる。
朝食と昼食をかねて、食事したかったが店員さんに聞いたら、まだ準備中らしい。
備蓄はあるがこの先お店はなさそうなので、できれば食事したい。
店内でオープンまで待とうか、涼みながら考える事に。
店内はとても涼しく。カップルと家族づれが2組いるだけだった。
黒酢の試飲が置いてあり、飲ませてもらう。
健康に良さそうなので、ラストスパートに効きそうと思って一通り飲ませてもらう。
一通り試飲したが、本格的な黒酢はやっぱり飲みにくく、柑橘類のフルーツを混ぜた味の方が飲みやすかった。
ただ、飲んだ後ブルっと身体が反応する効いてる感は本格的な黒酢のほうがする。
試飲ばかりしていると、風貌も汚いし。お店に悪い気がして、安くて買えそうなものを探す。
すると美人店員さんに話しかけられて、
上のレストランのシェフが開店より早いけど食事を用意すると言ってくれているようだ。
テイクアウト用のハンバーガーならとの事でお願いする。
店員さんが下の階まで持ってきてくれた、すごい高級感!
デカい。
肉もたっぷり。
国産鹿児島牛肉を煮たものらしい。
肉の中に肉の旨味と黒酢の味が広がり、美味しい。
肉のコク、黒酢の酸味、有機野菜のレタスにトマトが歯ごたえあって、肉感はありながら肉の臭みを抑えた調和、そして甘いバンズ。
この甘いバンズが黒酢と相性がいい。
煮てるのですき焼き肉のようだが肉は甘ったるくなく黒酢の味がしっかり立っていて、甘さはパンで主張してくれたおかげで肉の良さが際立っていると思った。
貧乏舌でフレンチ慣れしてる人には見当違いのレビューかもしれないが、語彙を崩すなら、「うめぇ」の一言。
「ごちそうさまです。とても美味しかったです。」
とお礼を言いいながら財布を出すと、
お金はいらない、と言われ。
シェフが2階に招待してるので時間があったら、是非。との事でお言葉に甘える。
すごく景色がいい2階の店内。
本来、俺のような人が来るところじゃないんだな、と痛感。
招待された2階の景色は、予想以上に高級レストランの雰囲気にのまれてしまう。しかも開店前だから貸し切り状態。
緊張・・・。
子汚い風貌なので、できるだけ触らないように座る。
シェフがふるまってくれた。食べ慣れない高級スイーツに感動。甘みは抑えめで黒酢のキュッと閉まる味と香り。
食べ終わったらシェフとご対面して、色々話をさせていただいた。
気さくで笑顔が素敵なシェフで、一緒に写真を撮ったりした。
あとで自分の写真をみたら本当にこ汚い恰好をしていて、高級フレンチには合わなくて恐縮の限り。
こんな汚い旅人に気さくでご馳走までしてくれて本当にありがとうございました。
どうやら、後になってわかったが、
この店の店員全員、俺の事を知っていて話題にしていたそうだ。
おそらく、朝の通勤で車から歩いている所を見かけたのだろう。
深々とお礼をして、店を後にする。
店員さんも男女共にキレイな人ばかりで恐縮しっぱなしだった。
黒酢のカメが無数に立ち並ぶ。
仕組みはわからないが、やはり日差しが発酵にいいのだろうか。
改めて桜島に向かう。
道は歩道が整って歩きやすく、交通量も穏やかで歩きやすい。
道の片隅にお地蔵様。
傘地蔵ならぬ、麦わら地蔵。
ペットボトルのラベルがはがされているのが、
ちょっとスポンサー意識したNHKぽい。
前掛けも真っ赤だし、細やかにお供えしている人がいるのだろう。
この旅でよく遭遇した木の実。
踏むとパチパチとして、やや硬い。
薄いソールの靴だったら貫通しそうだし、
カートのタイヤが空気圧だったらパンクしてそう。
桜島、まだ遠い。
崖崩れを警告する看板。
屋根付きのお墓。台風を意識しているのだろうか。
いままで見た事もないお墓だった。
珍しい自動販売機。
ちゃんと冷やして品ぞろえも充実していた。
なんだか幻想的に感じる。
関東とは緯度が違うせいか、雲の色が絵画的に感じる。
桜島が近づいてきた。
暑い。足の動きが遅くなり進みが悪い。
夏の鹿児島旅は一日の行程が今まで遅い事、
暑さにやられやすい事、
それがわかってきてはいるものの、どうしようもなかった。
ヒマワリ。意外と
太陽の方向に向いてなかった。
桜島一周はしないが、本当はしたかった。
橋を渡らず、横切る。
桜島周辺は建物が少なく、自然が広がっていた。
桜島の景色はいつまでも記憶に残る事となった。
桜島から離れていく。
火山灰をよく見かけるようになる。
垂水の街に入ってきて建物が増えてきた。
いよいよ日が沈む。
ラーメン屋さんがあり入店。
かなり腹が減っていたので助かる。
注文してから、すごい待たされるが満腹にしてもらえた。
日が沈み、ホテルに到着。
この日は44km近く歩き距離を稼げた。
夜は昼に比べて涼しく、夜中歩いて距離を稼ぐのも有りかもしれないと思った。
鹿児島ならでは張り紙。
自転車で旅をしているらしき人とエレベーターで一緒になり、
一言二言、会話する。
かなり疲れたが、最後のホテルになりそうなので洗濯など最終準備をすませて寝た。
長い旅もあと2日。
この日歩いた距離 44 km