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#テケレー
ウンガレスカ
テケレーの通常の調弦はバスドローン弦B(B♭)、リズムドローン弦B(B♭)、メロディー弦Fですが、ディアトニック音階の鍵盤しかなかったと思われる時代の音楽なので、調弦をいじってそのように演奏しました。バスドローン弦F、リズムドローン弦C、メロディー弦Fです。 ハンガリーのオンライン民俗学辞典のウンガレスカの項目を邦訳しましたので、以下掲載します。 ーーー ウンガレスカ、ungareszka、ungarescha 16世紀から17世紀にかけてのハンガリー人または「ハンガリー風」ダンス音楽の総称。ウンガレスカは、ドイツ、イタリア、フランス、ポーランドのオルガン、シター、リュートの手稿タブ譜(J. Lublin 1540, W. Heckel 1562, B. Jobin 1573, B. Schmid 1577, J. Paix 1583 など)に様々な名前(Ungerischer tanz, Saltarello ongaro, Passamezo ongaro, Heiducken dantz, Hayducky)で散発的に現れ、17世紀になっても使用されています。 17世紀以降、ハンガリー王国内の資料(Kájoni, Vietorisの両コーデックス、LőcseiとStarkのヴァージナルの書物)にもChorea hungarica(ハンガリーの回転舞踊), Saltus hungaricus(ハンガリーのステップダンス)などの名前で登場しています。その最大の特徴は、四連符のメロディーラインの周期的な構造(A Av B Bv)、放浪楽師〜豚飼いの踊りのリズム、二重五音節詩のリズム、そしてドゥダ(ハンガリーのバグパイプ)の影響を受けた旋律モチーフとドローン音楽の世界です。ハンガリーの舞踊音楽としてのウンガレスカは、当時のハンガリー王国内のハンガリー人以外の民族集団の舞踊音楽や、周辺国から西欧にかけての舞踊音楽と密接な関係にあります。18世紀の舞踊音楽の記録(Lányi Eleonóra、Szirmai-Keczer、Apponyi、Barkóczy、Linusらのコレクション)を見ると、ハンガリーの舞踊スタイルが発展していく中で、新兵募集音楽の源流になっていったことがわかります。 ーーー 出典:Bence Szabolcsi: 16-17世紀ハンガリーのダンス音楽(Tanzmusik aus Ungarn im 16. und 17. Jahrhundert/1970年) ソース(ハンガリー語): http://mek.niif.hu/02100/02115/html/5-988.html
ハンガリー西部の舞踊音楽(2021年6月)
Dunántúli népdal: Tekerő / Hurdy-Gurdy / テケレー 1) Meggyújtom a csumát, Végig ég az utcán, Látom a babámat, Végig megy az utcán. 藁に火をつける、 道の終わりまで燃えている、 恋人が見える、 道の終わりまで歩いている。 2) Gyűrüm az ujjába, Ragyog az orcája, Akárki meglássa, Nincs koppányba’ párja. 指輪を指に、 頬を輝かせて、 誰もが見ている、 コッパーニ町に恋人はいない。 - - - 1) Szentbalázsi Pista vagyok én, Szentbalázsi gulyát őrzöm én, Szeretnek is engem a lányok, Még a menyecskék sem utálnak. セントバラージュ・ピシュタは私、 セントバラージュで牛守りをしている私、 女の子にもてもて、 新婦たちからも嫌われてない。 2) Szentbalázsi Pista vagyok én, Szentbalázsi rózsát szedek én, Szentbalázsi rózsa viola, Én vagyok a leszakítója. セントバラージュ・ピシュタは私、 セントバラージュの薔薇を摘むのは私、 セントバラージュの薔薇やストック (紫羅欄花)、 花を折るのが私。 - - - 1) Isten véled Bogyiszló városa, Már én többet nem leszek lakosa, Benne hagyom híremet, nevemet, Nevem után a régi szeretőmet. さようなら、ボジスローの町、 もう二度と住むことはないだろう、 ここに僕の噂と名前を置いていく、 名前のあとに、古い恋人も置いていく。 2) Jaj istenem, jaj, jaj, jaj, Fejem fölött beborult a hajnal, Most is olyan szeretőm hagyott el, El sem hagyott, már elfelejtettem. ああ神様、ああ、ああ、ああ、 私の上にも夜明けがきた、 今もこんな恋人に振られた、 振られたんじゃない、もう忘れた。
四つのスロバキア民謡
バルトーク「四つのスロヴァキア民謡」BB-77 の元歌をテケレーで演奏しました。 元になった民謡については以下ご参照下さい。 楽譜や歌詞など資料ソース http://bartok-nepzene.zti.hu/hu/browse/record/BB077-L178-01/ http://bartok-nepzene.zti.hu/hu/browse/record/BB077-L179-02/ http://bartok-nepzene.zti.hu/hu/browse/record/BB077-L180-03/ http://bartok-nepzene.zti.hu/hu/browse/record/BB077-L181-04/ 参照音源 https://youtu.be/pBmCezjdrew Szvorák Katalin (Tölgyfa-testvér CD 2018)
2つのハンガリー民謡(旧セーレグ町より)
「バールドシュ・ユルチャの六重スカートは」"Bárdos Julcsa hat szoknyája..." 「ドナウは広い、岸は狭い」"Széles a Duna, keskeny a partja..." 1973年にセゲド市に編入された旧セーレグ町Szőregの民謡を2つ演奏しました。楽しい曲です。 - - - Dalszöveg / 歌詞 - - - Bárdos Julcsa hat szoknyája, Magosra van vetve, Talán bizony Kovács Pista Kalapja van benne. バールドシュ・ユルチャの六重スカートは、 種籾の上に投げてある、 多分、きっと、コヴァーチ・イシュトヴァーンの 帽子が隠されている。 Vedd ki Julcsa kalapomat, Tedd is a fejemre, Hogy ne süssön a napfény Ragyogó szememre. ユルチャ!帽子をとって、 ぼくの頭に載せて、 太陽が差さないように、 僕の輝く瞳に。 - - - Széles a Duna, keskeny a partja. Nincs olyan legény, ki átugorja. Géczi Imre átugrotta, sáros lett a cipősarka, ez ám a legény! ドナウは広い、岸は狭い、 飛び越えるような若者はいない。 ゲーツィ・イムレが飛び越え、かかとが泥だらけ、 これこそ若者! Ne gondold, Imre, hogy mindig így lesz. Majd ha a kuckóban öt- hat gyerek lesz. Csörög a sarkantyú, csipog a sok rajkó, kenyér kell annak! いつでも上手くいくと思うな、イムレ、 いつか暖炉の裏に5−6人の子供が並ぶ、 拍車がカチャカチャ鳴る、ガキどもがピーチク騒ぐ、 パンが足りない!
【バルトーク】春よ春(Kikelet kikelet)【テケレー】
バルトーク「15のハンガリー農民歌」より11番の元歌です。 この歌には、複数の地域にある民謡とバグパイプ(ドゥダ)の音源があります。歌詞はセベシュチェーン・マールタさんがヤーノシュ・バンドの「バルトーク」CDで歌った「まとめ版」です。 歌詞: =日本語訳= 1) 春だ春だ、風よ私に吹くな、愛していたのはもう過去のこと。 2) 薔薇よ消え去れ、私のものにならないのだから、もし私のものなら、咲きかたも違っただろう。 3) その犬を悲しみが襲う、両目で見ることができないなんて、だったら瞼を器に パーリンカ を飲みなさい。 =ハンガリー語= 1) Kikelet, kikelet, Ne fújd rám a szelet, ‖: Elmúlt az az idő, Mikor szerettelek :‖ 2) Hervadj rózsa, hervadj, Mert az enyém nem vagy, Ha az enyém volnál, Különbet nyilanál. 3) Bú érte a kutyát, Két szemivel nem lát, ‖: Szeme kupájából, Idd ki a pálinkát. :‖
バルトーク「ハンガリー農民歌」より9、12、13、14、15番
バルトーク「ハンガリー農民歌」より9、12、13、14、15番の元歌を演奏しました。 ソース http://systems.zti.hu/br/hu/search/1013?sys=A+357c http://systems.zti.hu/br/hu/search/11422?sys=C+603 http://systems.zti.hu/br/hu/search/1004?sys=A+350 http://systems.zti.hu/br/hu/search/12496?sys=C+997a http://systems.zti.hu/br/hu/browse/82/13189
2つのハイドゥーダンス(ウンガレスカ)
2つのハイドゥーダンス 「ハイドゥーダンス Hajdútánc 」は、いわゆる「ウンガレスカ」です。 ハイドゥーは昔の牛追いで、ハンガリーの有名な灰色牛を市場まで連れて行くので武装していました。遠くはミュンヘンやミラノまで行ったそうです。 なおこの2曲は、ムジカーシュ40周年記念コンサートにテケレーバンドがゲスト出演したときのプログラムに含まれます。 https://youtu.be/k1y6eBDfksQ --- オンラインハンガリー民俗学辞典から重要な点を羅列します。 最も古い文献は1553年 - 当時は狭義「武装牧夫(ハイドゥー)の刀剣踊り」広義で多民族国家ハンガリー王国各民族も踊る - バグパイプ、太鼓、トルコ笛(ズルナタイプの笛)で演奏された - 刀剣を持たずにカップルで踊ることもあった - 後のヴェルブンクや豚飼い踊り https://mek.oszk.hu/02100/02115/html/2-914.html