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人の感情をもっとも正確に表現する形式とは
人の感情をもっとも正確に表現する形式について、ふっと考えた。
たとえば、かなしいとか、さびしい、つらい、やりきれないといった感情。これらをより正確に表現しようとすると、おそらく文字、文章だと思う。
表現形式にもいろいろとあり、絵とか写真とか動画、映画といったものがある。感情をあえてぼんやりと捉えたり、裏返しにしたり、大まかにすべてをスケッチするといった方法も効果的だろう。
しかし、より正確に描写し、これを伝え、これを受け取る形式としては、やはり文章がもっとも適しているのではないか。
文章の形式にもいろいろとあるが、その中でも最も感情表現に適しているのは、うたであろう。これは韻文のことで、音楽ではない。
音楽は、感情を表現し、これを露出させるという点においては、表現の最高位を占めている。しかし、より正確に、という点においては、リズムとかフレーズ、メロディといったものは、この場合、邪魔になる。
音楽は人の感情を増幅させ、自然に露見させ、人と人を結び付け、これを統合するので、個々の見分けがつきにくくなる。
人はひとりでいたほうが、より感情を身近に感ずるようになる。そしてひとりで自分の感情に向き合い、書かれた文章を通じて、これを読む人は、個々の感情を、すべてではないがより正確に描こうとした感情として、読み取ることができる。
のではないか。というようなことを考えた。