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【連載小説】夏の恋☀️1991 シークレット・オブ・マイ・ライフ㊶

 1991年7月19日(金曜日 先勝)←日記に書いていた。

🌞

 昼過ぎまで寝ていて、起きた。桃子は顔がふくらんで、水死体みたいになっている。

 シャワーを浴びて、水死体みたいな顔が、普通の女みたいに戻った。

「体調わるい」と桃子。

 のみすぎだろう、とおれは思った。かえるか?ときくと首をふる。

 苺、というゲーセンに行った。

 高校に行ってない、同年代の愚連隊のような奴らが屯(たむろ)していた。顔見知りなので、いちゃもん等はつけてこない。

 桃子は「生理になった」といってかえっていった。

 紅蓮隊もおり、これは女たちである。

 おれはこれらの者たちが苦手だが(こわいし)、ゲームが中々終わらないので仕方なくゲームを続けた。こういう時に限って、調子がいい。

 生きた文章を書きたい、自然そのままの文が書きたい、とふと思った。

 おれはある種の天才なのだと、このとき、紅蓮隊や愚連隊に囲まれて、初めて気づいた。

 ゲームが終わって。不穏な空気だった。なんか。

 えーっと、とおれは。

「桃子、東京に行くんだって」

 えー!とレスポンス。なんで? なんでよ。おまえら付き合ってんのか。別れるのか?

 いや、わからない。

 と言っておれは早足でゲーセンをあとにした。

 帰ってぼさーっとして。桃子はいなくなるんだ。と気づいた。

 親父の泡盛をコップについで、少しずつのんだ。


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本稿つづく 

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