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【読書記録】「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海

上京区役所のリサイクルコーナーで見つけた。あまりに懐かしい。なにこの書影。イラストにそこはかとなく平成を感じる。小学校の女子の自由帳によく書かれていた目をしている。


ちょうどこの本が出て『もしドラ』と略され話題になっていた頃、私は小学5年だった。どんぐり少年団に通い詰めていた頃である。毎年夏に23区内のその手の少年団が小学校高学年以上を引き連れて長野のスキー場で1週間近くキャンプをする。毎年少年団ごとにテーマが決まっていて、その年のどんぐり少年団のテーマがこの本をもじっていた。あまり詳しいことは覚えていない。記憶が断片的である。

初日はガチ登山だった。35ºCの炎天下、麓からスキー場まで延々と歩かされた。水分補給は唇を濡らすくらいがいいらしいと聞いて、結局渇きに耐えかねガブ飲みした。今思い返せばなかなかの法螺だろう。

2日目くらいだろうか、夜中にガチの嵐が来て雷雨に見舞われ、その年のヒョロガリの生責が「生責命令!全員テントに退避!」と叫んでいたのが面白かったことは記憶に残っている。外に出られるくらいの天候になって、背丈くらいの薮を抜けて、急遽スキー場のレストランに他の団と一緒に全員集められた。道中、高い木や建造物の頂点から45ºは雷が届かないという、ウソかホントかわからない都市伝説を聞いた。本当だとしてもガッツリアウトなルートだったが。レストランに集められて電気がついてからは記憶がない。実は小児誘拐だったのではないか。

スキー場の麓にはレストランや受付など建物があり、中腹に林があって、それを囲うようにゲレンデが敷かれている。どんぐり少年団はその林よりもさらに上、スキー場の一番上を陣取っていた。戦をするには好立地だったが、トイレのたびに受付のある建物まで降らないといけないのが面倒だった。流石に小用は簡易トイレでもあったはず。イベントには23区内の少年団が集結するが、どんぐり少年団の中でもテント2, 3張くらいを1班にして分かれている。他班では大便チェックが実施されていて、同期の薫は3日目にしてようやく大便をした。この薫はこのキャンプの間にギターをマスターすることになる。ちなみに我が班には大便チェックがなかったため、私は最終日まで大便を出さなかった。


閑話休題。タイトルそのままの内容だが、結構いい本。そりゃJKが高校野球でビジネス書を実践したら、ビジネスの現場でこの本を実践できないわけがないでしょ。高校野球のマネージャーという、マネージャーの中でも一番managementから遠い存在に、本式のmanagementをやらせるというアイデアは最高。小説としては進研ゼミのダイレクトメールを270ページに拡張しただけの陳腐なものだが、ビジネス書として読むには非常に読み応えがあると思う。

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