蔵出し映画レビュー『ミニオンズ フィーバー』
『怪盗グルー』シリーズのスピンオフ作品『ミニオンズ』が公開されてから7年。その『ミニオンズ』の続編に当たる本作だが、グルーがメイン、ミニオンらがサブという『怪盗グルー』シリーズの通常フォーマットに戻りつつ、『怪盗グルーの月泥棒』の前日譚にもなり、『怪盗グルー』シリーズ本来の面白さを爆発させている!
やはり、グルーあってのミニオン。前作の『ミニオンズ』のミニオンらだけというのは正直飽きてしまう。やはり、ちゃんとした知性と行動を兼ね備えたグルーが動いてこそ面白い。
それに加えて、脚本の軸がグルーとヴィシャス・シックスとワイルド・ナックルズら、といった三軍対抗戦のような様相を呈している。メカを使ったバトルシーンはどこかマーベルのアメコミアクション映画を意識した作りで楽しめる。
後半になるとグルーとある登場人物の師弟関係のドラマを展開し、どこかピクサー作品のようなヒューマニズムも感じる。
また、音楽も1970年代半ばのソウルやR&Bを中心にロックやグラム、パンクもかかる。そのロックもCCRの「Bad moon rising」だったりモット・ザ・フープルの「All the young dude」、テッド・ニュージェントの「Cat scratch fever」だったり細かい所をついてくる。
純粋なミニオンがメインの『ミニオンズ』としてはどうかなと思うが、ミニオンらによる悪ふざけやドタバタも健在ながら、やはりグルーという中心の軸があるのは大きい。70年代好きなら尚の事楽しめる。