シン映画日記『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
TOHOシネマズ渋谷にてMCU映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』を見てきた。
ジェームズ・ガン監督作品でクリス・プラット主演、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、カレン・ギラン、ポム・クレメンティエフ出演、声の出演でヴィン・ディーゼルとブラッドリー・クーパーと豪華キャストで送るSFアクションの第三弾。
ある日、ノーウェアで本拠地を建設していたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの所に謎の金色の男・ウォーロックが奇襲をかけ、ロケットが瀕死の重症を負う。ピーター達はロケットを救うべく治療をするが、治療は困難を極め、ある物資を探し出さなくてはならなくなった。
一方、奇襲したウォーロックが属するオルゴコープではハイ・エボリューショナリーがより完璧な世界を作るべく、そのために必要な高度な知性を持ったロケットを奪還する行動を起こす。
これまでスター・ロードことピーターを主人公とする『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズにおいて、3番手ポジションで謎めいた口が悪いアライグマのロケットをメインに据え、
ロケットの謎に迫る過去エピソードを満載したストーリーになっている。
既存のキャラクターが立っているのはもちろんだが、
本作では次々と出てくる新しいキャラクターのどれもが面白い。
既に前作から出ていたソヴリン人の女王アイーシャに前作のミッド・クレジットシーンの出産ポッドで生まれたウォーロックにしろ、さらにそのソヴリン人を手下にしているメインヴィランのハイ・エボリューショナリーにしてもヴィランとしてしっかりとキャラ立ちしている。
特にハイ・エボリュージョナリーは全ての生物を強制的に進化させて「特別な種族」にしようとする進化論を専門とする科学者で、捉えた動物を機械化させたり、『ザ・フライ』に出てきた転送装置のような機械で進化させたり、掛け合わせて未知のモンスターを作り出したりしている。それはハイ・エボリューショナリー本人はあたかも創造主気分ではあるが、傍から見たらマッド・サイエンティストそのもの。この彼の狂気がヴィランとしてキャラ立ちをしている。
ロケットもこのハイ・エボリューショナリーに関係していて、そこに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの世界観のなんたるかが集約されている。
またヴィランばかりでなく、
ロケットと同じ境遇にあるカワウソのライラやセイウチのティーフ、ウサギのフロアも悲惨な境遇ながら愛くるしい性格をし、ロケットを含めた彼らのシーンが本作の見所の一つにもなっている。
ストーリーは
ピーター視点、ロケット視点、
ドラッグス、マンティス、ネヴュラのチーム、
そしてハイ・エボリューショナリーを中心としたオルゴコープの面々サイドの視点、
そしてウォーロックとアイーシャのソヴリン人視点という風にかなり多岐にわたる群像劇になっているが、どうにか上手いことまとめている。
後半の住人が怪人みたいな人ばかりの偽地球のカウンター・アースが舞台となるが、かなり思い切った破壊的なアクションを次々と展開し、クライマックスに向け面白くなっている。
そしてラストの着地点がとてもいい。
MCU版のラストに相応しく、いい締めくくりになっている。
これなら『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのファンなら当然マスト、
MCUのファンも久しぶりにスッキリとした作品に出会えたと思える。