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育児日記|子を育てたら、母の追体験をしている気がする
私は母のことが好きというわけではなかった。
自分の安心のために、子を己の領域内に置いておきたいタイプの母親だった。
そして自分の安心が損なわれると、ひどく弱って攻撃的になってしまう人だった。
学生の頃は、そんな母に対して、一人自室で怒りながら日記を書きなぐった記憶がある。
社会人になって、一人暮らしを始めて、
物理的な距離を得られた頃から、
母のことを客観的に、1人の人間として見られるようになった。
いまだに許せていないこともある一方で、
なんで私はあんなに怒っていたんだろう、と思うことも増えてきた。
そして今、子を育てていると、ふとした時に、
母もこんな気持ちで私を見ていたんだろうか、と考える。
指を吸いすぎてタコができただけで心配して、
何が正解なのかもわからず調べるだけで時間が過ぎて、
ちょっと笑顔になっただけで嬉しくて。
きっと数十年前、同じことが行われていたんだと思う。
子に愛情を向けているはずが、
私自身が愛されているような気がしてくる。
出産する前、既にママになっていた知り合いから、
「子供を育てていると、
自分が産まれ直して、生き直している気がするよ」
と言われたことがある。
少し近いかもしれない。
私は子を育てながら、
自分が育てられた記憶を母目線で確認して、
捉え直していくんだと思う。
今はまだ子は0歳。
さすがに、自分が0歳の頃の記憶はない。
子が大きくなって、
自分が覚えている記憶の歳になったら、私はどう思うんだろう。
改めて母の偉大さと愛を感じるのかもしれないし、
やっぱり、母を理解できないと感じるのかもしれない。
そう考えるともしかしたら、
母と娘のそういう関係性は、脈々と続いてきているのかもしれないなあと思う。
母も当時、祖母にこう思っていたのかもしれないし、それがずっと続いてきてるのかもしれない。
ちょっとした呪いみたいで怖いな。
でも、愛は呪いとも言うし、そういうものなのかも。
いずれにせよ、
そんな繋がりは関係なく、子には健全に健やかに育ってほしい。
そう育てられるように、頑張ろう。
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