見出し画像

成田空港 第1ターミナル 【書きたくなる場所 02】

喫茶手紙寺分室のマガジン【書きたくなる場所】では、手紙寺のメンバーそれぞれが手紙を書きたくなる場所について綴ります。喫茶店あり、街中の雑踏あり、それは自宅や旅先の風景の中にあるかもしれません。

こんにちは。手紙寺 発起人の井上です。

わたしは父が亡くなった後、大切な人と別れた後、よく手紙を書きました。しかし手紙を書くための場所としてしっくりくる場所がなかなかありませんでした。仕事をしたり、打ち合わせをするために利用するカフェはあるのですが、自分と静かに向き合うための場所がなかなか見つかりませんでした。
 
そこでわたしは旅に出た際など、知らない街で立ち寄ったカフェに入りました。特に海外であれば旅人である自分は周囲を気にせず、日頃の自分から少し離れてゆっくり手紙を記すことができました。

手紙の内容は、わたしは何をしたいんだろう、いまのままでいいんだろうか、そのようなことを「あの人」に宛てて書いていました。

画像1

わたしは旅に出かける予定がなくても私は成田空港の出発ロビーを見下ろせるカフェの隅に座り、旅立つ人を見ながら手紙を書くことが好きでした。
とくに成田空港第1ターミナルの中2階にあるカフェのカウンターからは、空港を行き合う人を見ながら、ゆっくり過ごすことができます。
 
仕事や人間関係の中で自分を見失いがちになる時があります。自分がどこにいるのか、これからどのように進んでいけばいいのか分からなくなる時があります。

そのような時に、旅に出るのは難しくても日常からすこし離れて自分を見つめるために私は空港のカフェに向かいます。

空港内に流れる様々な言語の発着予定アナウンスを聴きながら、旅に出るような気持ちで、自分がどこに向かいたいのか、どこから来たのかを考えているのかも知れません。

また、成田空港に流れる国際空港独特の空気は、異国の地にひとり立っているような感覚を覚えます。
海外のカフェなら日本語を読み取られてしまう心配もなく、日記や手紙に没頭できたこと。誰も自分のことを知らない場所だから、想いを隠すことなく書ける。
そういう場所が【書きたくなる場所】で、私にとっては成田空港がそこだと思っています。

あなたの #書きたくなる場所 をnoteに綴って教えてください。ハッシュタグをつけて投稿いただいた記事を喫茶 手紙寺分室のマガジンに載せさせていただきます。


 ――――――――――――――――――――――――――――――

井上 城治  | 手紙寺 発起人
1973年生まれ。東京都江戸川区の證大寺(しょうだいじ)住職。一般社団法人仏教人生大学理事長。手紙を通して亡くなった人と出遇い直す大切さを伝える場所として「手紙寺」をはじめる。趣味は、気に入ったカフェで手紙を書くこと。noteを通して、自分が過ごしたいカフェに出会えること
を楽しみにしています。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集