どこかに隠れた感覚をつかまれる。ツカノマレーベル様朗読企画2020.2.9
ご招待いただいた朗読企画に行って参りました!ストーリーに合わせたピアノと尺八の音楽の中、文章を朗読していただけるのはツカノマレーベル様の企画『こんな夢を見た。』ならではだったと思います。
公演は福岡市美術館の2階で行われました。大きな窓がある広い空間で、落ち着いた雰囲気の場所です。ピアノと尺八の生演奏をバックに演出家もなさる俳優さんが「こんな夢を見た」のひと言から始まるショートストーリーを朗読してくださいました。
どの作品においても朗読という形になると、黙読とはまた違う血肉を感じます。情緒豊かな朗読ももちろんですし、人の声の力は本当にすごい。俳優さんはとても温かですてきなお声でした。また、尺八の生演奏は初めて聞いたのですが、こんなにも躍動感があるものなのかと驚きました。表現の幅広さとともに鳥肌が立つようでした。ピアノはとても繊細な音色で、尺八とのセッションという聞き手にとっては未知のシチュエーションだったのですが、安定感とともに心地よい幻想感のある演奏が素晴らしかったです。
10のショートストーリーの中の一つは私が書いたものだったのですが、演者の皆様は物語でお伝えしたことを受け、朗読と音楽のなかにしっかりとイメージを宿してくださいました。本当にありがとうございました。
『こんな夢を見た。』朗読公演では、「自覚していないけれどたしかに存在している」というような、どこかに隠れた感覚をつかまれている不思議な心地よさがありました。これからも年に1〜2回の頻度で公演される予定とのこと。皆様も夢の空間に入ってみてはいかがでしょうか。