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離乳期の鉄分不足を家族みんなでまるっと解消3ステップ!

生後6ヶ月までは、貯蔵鉄と言ってお腹の中にいたときに貯金していた鉄分が身体の中に存在します。離乳食開始の時期である生後6ヶ月頃からこの貯蔵鉄がなくなりはじめるので、離乳食では鉄分をとれるよう意識していきたいと思っています。

1991年の沖縄の調査では10ヶ月の赤ちゃんの12%が貧血であり*1、2002年の愛知・岩手の調査では6~18ヶ月児の8%が貧血であると報告されています*2。また、母乳で育てておられるお母さん自身も鉄分不足であることが多いため、3ステップで鉄分不足を解消できるアドバイスをさせてもらっています。


STEP①母乳で育てておられる場合、まずはお母さんの鉄分不足を解消する

具体的には、家族の食事に鉄分補給できるものを取り入れていきましょう。鉄分が多く含まれるのは赤身のお肉やレバー、まぐろやかつおなどの魚、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜など。ごはんにごまやのりを振りかけるだけでも鉄分は強化できます。家族の食事を鉄分を意識したメニューにすれば、離乳食を取り分ける際にも安心です。

STEP②離乳食に鉄分補給できるものを取り入れる

現在ではアレルギーの観点からも、卵を早期に取り入れるようにすすめられていますが、卵は鉄分補給の観点からもオススメ食材です◎
また、豆腐や納豆、きなこなども取り入れやすい食材です。きなこはごはんにふりかけのようにかけて食べられますが、豆腐は柔らかすぎて手づかみ食べ初期には向かない・納豆は汚れるのがちょっと…ということであれば、豆腐や納豆は自分で食べられる時期が来るまでスプーンであげても良いと思っています。絶対にぜんぶ手づかみでないといけない!ということはありません。目的に応じて、手段を変えられると良いですね。
もちろん、豆腐も納豆も手づかみで試して良いよ!の環境が作れる親御様は、貴重な経験をさせてあげてくださいね。

STEP③調理器具を見直す

我が家では鉄鍋・鉄玉子・南部鉄器を使っています。うちはガスなのですが、今はIH対応の鉄鍋もたくさんあります。
鉄鍋は炒め物のとき、鉄玉子は茹でもの・煮物・汁物のときに一緒に入れると鉄が溶け出します。冬場は南部鉄器で白湯をいただきます。

Amazonで買った鉄鍋
左は鉄玉子、右は鉄アマビエ
いろんな形がありますので好きな形を見つけてみて
及富さんの南部鉄器

調理器具を見直すと、家族全員で日常的に鉄を摂取できる環境を整えられるので、家族全員で鉄不足を解消できますし、家族のものから取り分ける離乳食では赤ちゃんの鉄不足へのアプローチにもなります。

一緒のものを一緒に食べる!という手づかみ食べの醍醐味を味わうときに、【美味しく、楽しく、健康に】が叶えば更に嬉しいですよね。サプリやフォロミで補う方法もありますが、なにかを足すより、まずは日常の中で、家族全員が健康になれる環境設定を試してほしいと思っています。足し続けることは難しいことが多いですが、環境を整えると、あとはその鍋を使うだけで自動的に「健康(鉄分)」の部分が強化される形になるので、ぜひご家庭で取り入れてみてくださいね。

*1:外間 登美子他: "乳児の栄養法別ヘモグロビン濃度" 小児保健研究. 51. 73-76 (1992)
*2:渡邊 次夫, 浅井 泰博, 小山 慎郎, 河邊 太加志:"乳幼児における鉄欠乏性貧血の有病率"(2002)


おまけ①

上に紹介した二つの研究はどちらも「授乳・離乳の支援ガイド」の改訂前(2019年)の研究であり、現在は比較的鉄分が取りやすく離乳食にも取り入れやすい卵が「離乳初期から」という扱いに変わっているので、今はもう少し有病率が低かったら良いなあと個人的には思っています。
アメリカやイギリスでは小麦粉に鉄分が添加されていますが、日本では鉄分強化食材は「探せばある」といった程度。その代わり(?)卵や納豆など鉄分が多く含まれている食材が食文化として強く根付いているので、離乳食だけでなく家族の食事の中で無理なく取り入れていけたら良いなと思っています。

おまけ②

南部鉄器で白湯をいれると本当にまろやかな味わいになります。まろやかすぎて感動して、「ちょっと飲んでみて」と旦那さんにも白湯を入れて渡したところ、「鉄臭くて飲めない」と言われました。鉄が足りてるひとだとそんな風に感じるのかもしれません。鉄鍋・鉄玉子で調理したものについては何も言われたことはないので、何らかの味をつければ鉄みは感じないのかも。
手づかみ食べをしていく中で【共食】をオススメしていますが、ひとりひとり違う味覚、ひとりひとり違う必要量のなかで共食をしていくことについて、たいへん考えさせられた出来事でした。


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