愛しいもちこ。長生きしてね。
私には愛すべき猫がいる。
名前は
「もちこ」。
目つきが悪くてほどほどにデブなオス猫だ。
もちこは、友達のバイト先のコンビニに捨てられていた猫で、私の彼氏が譲りうけて飼い始めた猫だ。
もちこ以外にも2匹の兄妹がいて、計3匹の猫を譲り受けた。
同じく一緒にコンビニに捨てられていた兄妹達だ。
他の2匹は長毛種でどちらも目つきは悪いけど割と万人受けするような可愛らしい見た目をしている。
そう、もちこはその2匹と比べてあまり可愛くないのだ。
目つきは悪いし、ちょっとお肉乗ってるし、年中プスプス言っている。
知り合いや友達、親戚とかに3匹の猫の写真を見せて1番に可愛いと言われたことはほぼ無い。
すっごいブスってわけでもない。
だからブス猫好きにも好かれるわけでもなく全くもって目に付けてもらえない。
逆に言うと平凡すぎるみたいな感じだ。
そんなもちこを私は自分に似てると思った。
君は特別だ、と人生で選んでくれる人があまりいないんだと。
だから、私がもちこを選んであげたいと。
私はお前が一番好きだよ…と。
そんな同情のような気持ちから私の推しになったもちこ。
もちこは超絶ビビリだ。
ビニール袋には当たり前にビビるし、急に立ち上がったりしてもビビる。お気に召さないおもちゃにもビビる。
愛おしい。
斜め後ろから名前を呼ぶと振り向くが、自分の顔のお肉で片目が埋れてウインクしてるみたいになっちゃう。
愛おしい。
ご飯が大好きすぎてちゅーるやおかしの食いつきが怖い。
愛おしい。
今では別に同情の気持ちとかそういうのはない。ただ愛おしいし大好きな猫だ。
そんなもちこは、
最初から人懐っこい猫ではあったが、
私が贔屓すればするほど
もちこも答えてくれるようになった。
私と彼がリビングに寝転がっていたら私のお腹の上や背中に乗ってくるし、
寝ながら動画を見たりしてたら私の頭に自分の頭をこすりつけに来る。
私がご飯を食べているときもよく膝の上に乗っている。
(別の猫に場所を奪われるときが多いが。)
ちゃんと私のことを大好きと表現してくれる
もちこが大好きだ。
だけど、たまにこんなことを思ってしまう。
猫の寿命のことを。
すぐネガティブなことを考えてしまう私よ悪い癖だ。
でも考えてしまうのだ。
私が突然の急死をしない限り大体は猫のほうが寿命が短いので早く死んでしまうだろう。
だから、たまに私より早く死んでしまうであろう可能性が高いもちこにこういうのだ。
『もちこ、長生きしてね、大好きだよ。』
と。
そしてチューをする。
まぁ、それは大体嫌がられるけどね。
私には愛すべき猫がいる。
名前はもちこ。
長生きしてね。
世界で一番愛している猫だ。