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公認スポーツ栄養士 / 管理栄養士・猿田綸咲(さるたつかさ)さんインタビュー。フリーランスとして活動していらっしゃる猿田さんに様々お話を伺いました。~聞き手 / HIROHIRO~

現在は、東京医療保健大学女子バスケットボール部のサポートをしていらっしゃる猿田さん。

今回は公認スポーツ栄養士・管理栄養士として活動していっらしゃる猿田綸咲さんにインタビューを致しました。
一般人の視点から、猿田さんに食事や栄養についてお聞きします。
(このインタビューは2023年4月にメッセージにて行われました。)


Q1 (HIROHIRO)
猿田さんは現在はフリーランスの公認スポーツ栄養士・管理栄養士として活動していらっしゃいますが、フリーランスになって一番大変なことは何でしょう?
 
A (猿田さん)
一番大変なことは、自分自身の管理ですね。

良いサポートを提供するためには、自分の心や身体が、常に良い状態でいることがとても大切です。

日々、目の前のお仕事に追われがちですが、なんのためにこの仕事を受けたのか、どうしたらより良いものを提供することができるのか、などを考えて、一定のモチベーションを保つことが非常に大変であり、フリーランスの醍醐味だと思います。

フリーランスのお仕事は、どこかの組織に所属して行うわけではないので、全てが自分自身の責任となります。
なので、一番自分自身の管理が大変だと私は思います。

(もちろん、お仕事をいただくことができなければ生活ができないので、お仕事をいただけるようになる…までも、非常に大変なことです。)


Q2
大学のバスケットボール部の栄養を指導しておられるということですが、どのようなことに気を付けて指導していらっしゃいますか?
 
A (猿田さん)
一番は、「食事が楽しい時間になるように」を意識して、選手の支援を行っています。

具体的な事例をお伝えすると、大学生の選手ということもあり、普段の生活の中で非常に誘惑が多く、体重が増えて怪我の危険性が高まってしまう選手がいます。

体重が増えるのを防ぐために、食事摂取量(エネルギー摂取量)を調整する必要がありますが、制限をすると、とてもストレスが溜まります(笑)

できる限りストレスを小さくするために、個々の選手(特に個性、性格や背景など)をよく理解し、無理のない範囲で、今の食事からどのように改善してけば、よりコンディションが良くなるのか、を日々意識して支援しています。

そもそも、食事をすることは、生きていくために欠かせないもの。毎日必ず行う食事を、苦の時間にしないように、気を引き締めてサポートしていきたいです。

(※注 以下は、実際に選手が用意した食事の写真です。猿田さんが解説を書いてくださいました。)

選手の食事写真①
大学入学当初、電子レンジとインスタントの食品をフル活用したお昼ご飯。
まだ、料理はちょっと苦手な様子。
選手の食事写真②
大学卒業間近、自分に必要な食事量を把握し、不足しがちな栄養素も盛り込んだお昼ご飯を作ることができるようになる。

Q3
バスケットボール部では10代後半から20代前半の選手が多いと思いますが、その年齢の女性選手が栄養において特に注意しなければならないことは何でしょう?
 
A (猿田さん)
日々激しいトレーニングをしている選手が多いので、エネルギー不足の状態ではないか、ということは日々注意しています。

そのための指標となるのが、おおよそ下記の3点となります。
 ・体重変動の有無
 ・定期的に月経は来ているかどうか(※女性アスリートのみ)
 ・既往歴(骨折や疲労骨折の経験有無)
(・10代後半、成長期であれば、身長がまだ伸びているかどうかも)

特に着目する栄養素は、エネルギーはもちろん、女性アスリートに不足しがちな鉄やカルシウムです。

バスケットボールは持久力も必要となる競技なので、持久力を高めるためにも、鉄栄養状態を良好に保つことが重要です。


Q4
選手の中には、「栄養についてとても気にしている選手」と、「そうでない選手」といると思いますが、やはりプレーや肉体において、両者には違いが生まれるのでしょうか?
 
A (猿田さん)
【意識して取り組んだ選手】は、必ずどんな形であれ結果を残していると思います。

過去にあった成功例をお伝えしますと、ある有望な選手が、試合時の怪我により3ヶ月ほど競技を離れました。

その際に、自分自身の身体とよく向き合い、自身が一番動きやすい!と思える身体になるために、食事や睡眠の改善、もちろん、リハビリトレーニングにも打ち込みました。

その結果、3ヶ月後の復帰直後にも関わらず、大きな大会で優秀選手賞に選出されました。

一方で、【意識して取り組むことができなかった選手】は、不完全燃焼で競技を引退することが多いように思います。

栄養について意識しなかったから、結果を残すことができなかった、というわけではないですが、身体が引き締まっていないことや、精神的にブレが生じているように思います。

選手全員が意識して取り組むことができる環境を整えることが一番ですが、個人によっても取り組み状況に差がでるので、その選手にあった支援をし、選手自身が納得する成果を残すサポートを引き続き行いたいです。


Q5
猿田さんご自身は、普段どのような食生活をお送りですか?
 
A (猿田さん)
時間がある時は、きちんと作ろう!と思っていますが(笑)

仕事で疲れていたり、なんだかやる気がでないときは、冷凍食品単品になってしまうこともあります(笑)

適度に肩の力を抜いて、その時に食べたいものを食べて、心に余裕があるときには普段不足している栄養素が満点のごはんを食べます!

(※注 以下は、猿田さんご自身の食事写真です。こちらも猿田さんが解説を書いてくださいました。)

ある日の朝ごはん
(ごはん、納豆、お味噌汁、ヨーグルト)
朝ごはんは、簡単に用意できるものをぱぱっと食べます。
プロテインだけで済ませる日も、もちろんあります。笑
理想のごはん
(もち麦入りごはん、鶏肉の甘辛炒め【付け合わせ:温野菜】、
小松菜とツナの和え物、具だくさんお味噌汁、果物、乳製品)
時間と心に余裕があるときには、しっかり作って心も身体もエネルギー満タンにします。

Q6
現代はネットが発達し、Youtubeなど様々な形で栄養について学ぶことが出来ますが、猿田さんはどのようにして栄養の知識や情報を仕入れていらっしゃいますか?
 
A (猿田さん)
私も様々なツールから情報を得ることが多いですが、一番は、論文などが多いかもしれません。論文は科学的根拠に基づいているので、一番信頼できる情報だと思います。

一方で、現場でのサポートは、いくら科学的根拠に基づいて行っていたとしても、必ずしもよい結果につながるわけではありません。

多くの情報があふれている社会なので、様々な情報を吟味して、良いものは取り入れて実践、ダメだったら再度検討しなおすなど、試行錯誤をくり返すことが重要なのかもしれません。


Q7
今後の目標がありましたら、お教えください。
 
A (猿田さん)
【食×運動(スポーツ)×〇〇】のコミュニティを作ることです!

まだぼわっとしていますが、様々なライフステージの方が気軽に足を運ぶことができて、食事や運動、その他バラエティにとんだ話題でコミュニケーションをとることのできる場所を作りたいです。

多くの人も同じだと思いますが、私自身、健康的な食事をして、毎日活発的に活動ができ、多くの方とコミュニケーションをとることができたら、心も身体もほっこりします。

そんな環境をつくって、私たちみんなが、健康的な毎日を過ごすことのできる支援を行いたいです。

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 猿田さん、この度はご協力誠にありがとうございます。やはり、実際に現場で活躍していらっしゃるかたのお話は大変勉強になります。
今後の更なるご活躍を期待しております!

猿田さんのInstagramはこちらです。
皆様、是非ご覧ください。

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■■■PROFILE■■■

猿田綸咲 (さるたつかさ)
東京医療保健大学 女子バスケットボール部 公認スポーツ栄養士、
管理栄養士

東京家政学院大学卒業後、日本大学大学院修了(修士課程)。卒業後は、管理栄養士養成大学に勤めつつ、インカレ6連覇(2023年4月現在)を誇る、東京医療保健大学女子バスケットボール部のスタッフとしても活動。選手たちの毎月の献立調整や、試合・遠征時の食環境整備も行う。

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聞き手 / HIROHIRO(Teck-Teck World)
HP 
https://teck.tokyo/

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