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オーディオブック紹介 「護られなかった者たちへ」

おはようございます。
2024年12月4日 水曜日です。

仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。
三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。
なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。
本当に“護られるべき者"とは誰なのか
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
万般の思いが交錯した先に導き出される切なすぎる真実――。

“どんでん返しの帝王"中山七里が挑む、骨太の社会派ヒューマン・ミステリー。

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現代社会の闇に鋭く切り込む、痛切な人間ドラマ。
中山七里が描き出すミステリーは、単なる事件解明を超えて、私たちの社会システムの根本的な脆弱性に真っ正面から向き合う小説です。

保健福祉事務所課長の残酷な最期は、一見ランダムな殺人事件に見えますが、実は日本社会の深い傷を象徴する出来事。
生活保護や社会的弱者の保護という、本来守られるべき人々を守れていない現代社会の矛盾が、物語を通して鋭く描写されています。

善良な人間が理不尽な最期を遂げる理由を丁寧に紐解きながら、社会の闇と正義の本質について深い問いを投げかけます。
「誰が本当に被害者なのか」「誰を守るべきなのか」という根源的な疑問は心に残る。

事件の背景には、貧困、災害、社会保障制度の限界など、現代日本が抱える複雑な社会問題が絡み合っています。
現実離れしているようで、皮肉にもリアルな展開が、この小説の魅力と言えるでしょう。

社会問題を鋭く抉りながら、ミステリーとしての面白さも見事に両立した骨太な小説でした。

今日の占い

12月4日
✖︎裏運気の日
1.欲張りは失敗の元。
2.一つひとつ丁寧に物事を進めることが大切。
3.複数の作業を同時に行う際は、優先順位を慎重に見極めよう。

金のカメレオン座

それではまた明日
ひろかん

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