結局、チャットGPTはどのくらい頭が良いのか?〜MITのトップ、計算生物学マノリス・ケリスが語る〜
今回もおなじみLex Fridman のポッドキャストでMITの主任マノリス・ケリスさんがChatGPTの頭のよさについて、どのようにChatGPTにトレーニングをさせたのかなど、語られておりましたのでまとめてみたいと思います。
人間よりも頭がいいのか?
ChatGPTは人間よりも頭がいいのか?という疑問に、マノリス・ケリスは自分の経験を踏まえて面白い説明をしておりました。MITの主任、科学者として働いておりますが、現在MITで現役でコンピューターバイオロジーを教えている教授でもあります。彼によると、「生徒たちは講義などを聞き、僕のことをよく知っているので、質問があったとしても、なんとなく僕がこういうだろうな。というのはわかってくるはずだ。質問をするのは自分の中の正解を確かめるようなもの。ChatGPTはそのような立場であるだろう。」とのこと。
確かに、「この商品を売りたいけどどうしたらいい?」や「このビジネスアイデアを大きくしたいけどどうしたらいい?」などの質問に関して、聞いている時点で自分でなんとなく分かっている場合がおおい。
人間よりも頭がいい。やコンピューターに世界が支配されるなどと騒がれることも多いが、人間はChatGPTに疑問を投げる時点でその疑問に対してある程度答えをあらかじめ分かっているのだ。
ラバーダック・デバッグとChatGTPのトレーニング
続けて、マノリス・ケリスはラバーダック・デバッグについて話をしている。エンジニアやプログラマーの中では知っている人も多いかもしれないが、ラバーダック・デバッグとは、デバック(プログラミングの中のバグ|問題を解決すること)の一つの方法であり、プログラマーがバグに関してラバーダック(おもちゃのアヒル)に説明していると自然に解決策が思いつく事のことを言う。
ChatGPTは世界中の人間に育てられたから。
ではなぜChatGPTは聡明なものとして世界中が騒いでいるのか?それは世界中の人間にトレーニングされたプログラムだからである。
ある人間がスペインの数学者であれば、スペインの数学者の知識や経験が備わっている。ドイツの建築家であれば建築の知識など。
ですが、ChatGPTの場合、この両方の知識や、まったく違った社会経験をした人間の知識や経験を知っているという点だ。
「人工知能」であるが、世界中の知識や経験を集め純粋な答えをくれるグローバル赤ちゃんのようなものなのである。
ChatGPTは地球上の聡明な赤ちゃんとして引き続き育てられるべき。
ChatGPTや人工知能が社会を乗っ取るか。と言う疑問だが、以上の説明を踏まえるとその恐れはないと言えるだろう。世界中の(社会経験や専門知識を学んだ)人間に育てられたプログラムなのであるが、逆にその社会にある問題は人間にしか作れないものとされる。ChatGPTが下す、問題の解決方法や、ルール決めや倫理的判断は人間の間で過去に起こったものをベースに育って行っている。ChatGPTや人工知能は私たちを統治するものではなく、共存されるべき聡明な赤ちゃんなのである。