睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーが教える正しい睡眠の仕方、昼寝とコーヒーを武器にするエピソード3 ②/③
このシリーズでは睡眠について約20年以上睡眠に関して研究をされているマシューウォーカー教授が、毎度お馴染みのアンドリューヒューバーマンと共に6つのエピソードに分けて面白い解説をしてくれていますので、日本語に翻訳、要約しています。
難しい化学的用語については都度解説しているので、気になる方は最初の記事「睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーが教える睡眠」から読んでいただくのがいいかと思います。
このエピソード3 ②/③では前回に続き、睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーが教える睡眠についてお話ししてくれています。このエピソード3では正しい睡眠の仕方、昼寝とコーヒーを武器にするという題名で、どのように睡眠を取るのがベストなのか?昼寝の取り方やカフェインについて解説していきます。
あの、お昼寝の後の だるさは何? 昼寝の長さが大切だった
それなりに意識が高い人であったり、もともとお昼寝が好きな方は聞いたことがあるかと思いますが、パワーナップというものがあります。
1時間以内のお昼寝をすることで、午後の元気をとりもどすのです。
この、お昼寝に関して睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーによると、集中力と注意力が欠陥してしまっている状態
「ああ、もうモニターを見ていてもミスにも気づけないし、仕事をしているのかも分からない…」の状態に陥った場合は、
20分程度の昼寝
を推奨するそうだ。
なぜ、20分なのか?
これには理由があるそうだ。
5〜10分 →身体が睡眠なのかどうか分からない休息
10〜20分 →程よく休息できている
20〜50分 →休息しすぎてしまい、夜分の睡眠に影響
という結果が出たそうな。
また、この20分という時間も念頭に置きたいが、この昼寝をとるタイミングも大切だという。
あの、お昼寝の後の だるさは何?昼寝のタイミングが大切だった
お昼後にやってくる集中力や注意力の低下をリカバリーするのに、20分ほどの昼寝が効果的だと上記で述べたが、
この20分の昼寝をとるタイミングも大切だそう。
15時以降に昼寝をするな。
との事だそう。
昼寝の長さが
5〜10分 →身体が睡眠なのかどうか分からない休息
10〜20分 →程よく休息できている
20〜50分 →休息しすぎてしまい、夜分の睡眠に影響
このように効果が薄くなってしまうというのと同じで、
遅くなるほど、夜分の睡眠に影響が出てしまうので、やめた方が良いそうだ。
NASAの宇宙飛行士の昼寝
パワーナップという物は最近の意識たかい人たちの流行り。
のような風潮があるが、このパワーナップというのはNASAは1980年代から行なっていた事だそう。
宇宙では太陽の動き(昼は明るく、夜は暗い)という物が地球上にいる時と条件が違うので、睡眠サイクルを壊しやすい。
だが、宇宙飛行をしている時は研究や健康状態を保つため、ウダウダしてもいられない。
そして日々のサイクルとして、疲労を感じてしまった際にはprophylactic nap(予防的昼寝)というプログラムが採用され始めた。
疲労やリサーチなどのミスを減らす予防的な昼寝というところから始まったが、
宇宙飛行士のエゴなのか、カッコよく聞こえるように、
power nap(パワーナップ)と呼ばれるようになった。
何それ、美味しいの?ナプチーノとは
とカフェイン=元気が出るもの と解釈されている方が多いかと思いますが、厳密にいうとそうではなく、アドネシンという夜にちゃんと眠くなるように分泌される成分をブロックしているもの。
カフェイン=アドネシンブロッカー という解釈が正解である。
そして、睡眠オタク界隈で噂になっているのが、ナプチーノという裏技である。
エスプレッソショットを摂取し、15−20分ほどの昼寝をすると、昼寝の嫌な不快感を感じにく、集中力も復活してくる。
というものである。
これについて科学的に効果的である理由がある。
カフェイン摂取をしてから、効果が出てくるにだいたい、12-17分ほどかかる。
そのタイミングがこの上記でお話ししたパワーナップの時間に当てはまるため、
カフェインでアドネシンをブロック
+
夜分の主要な睡眠に悪影響がない10〜20分の睡眠
という組み合わせができるのである。
まとめ
このシリーズでは睡眠のエキスパート、マシューウォーカーとUCバークレイ校脳神経学教授のアンドリューヒューバーマンが6つのエピソードに分けて解説してくれているものを共有しています。今回は3エピソード目の中の②〜昼寝とコーヒーを武器にする〜を解説しました。
いかがだったでしょうか?次回はエピソード3 ③/③です。お楽しみに!