脳は予想外の痛みを、より痛いと知覚する
私たちは、ケガや体調不良のとき、痛みを予想以上に強く感じられることや、あるいは反対に同じようなケガでも、あまり痛くないと感じることもあります。このように、痛みの感じ方は、予測や思い込みに大きく左右されています。
筑波大学の研究チームは、仮想現実（VR）を用いて、視覚的な脅威や熱刺激を使った実験を行い、脳が痛みを感じる仕組みを調べました。
その結果、痛みの知覚は単なる感覚刺激の反映ではなく、脳が作った予測と現実との差に強く依存していること、特に予想外の出来事が発生すると、痛みが増幅されることが確認されました。
今後、病院での痛みを伴う治療や、慢性痛患者に対し、痛みの予測する習慣や行動、認知パターンを変えることで、痛みを抑える新たな治療法の開発につながると考えられる。
『参考資料』