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終戦から79年。平和へと、追体験を。

私たちのこの平和は、仮初だ。
生きていること自体が、奇跡なんだ。

今もこの地球では、たくさんの命が理不尽に奪われている。
「幸せになりたかったのに」
「大切な人と一緒に生きていきたかっただけなのに」
そんな声が涙となって降っている。
けれど私たちは、どこまでその痛みを理解できているだろうか。

第二次世界大戦が終わってから、79年の月日が流れた。
当時を知る人たちは少なくなっていく。
代わりに、戦争のない暮らししか知らない人が増えていく。

長い間、平和であること。
それはとても大切なこと。
かつて多くの人たちが全身全霊で願った平穏の中を、私たちは生きている。
でも、だからこそ、戦争というものが、私たちの心から消えてはいけないと思うのだ。

大学のとある授業で、”経験に学べ”と教わった。
曰く、自分で体験するだけでなく、先人の体験を聞いて”追体験”することもとても大事なのだと。
それを聞いて、ある夏の日、亡くなった祖父の戦争体験記を読んだ事を思い出した。
そこには、仲間が次々と倒れていく中、自分だけ生き残ってしまったことへの深い後悔と慟哭が綴られていて、心の底から圧倒されたのを覚えている。

今、私たちに必要なのはその”追体験”だと感じる。
先人たちが、過去の記憶を苦しみながらも思い出し、血の滲むような思いで私たちに残してくれた戦争の記憶を、できるだけたくさん享受して、「他人事」ではなく、”自分事”としなければならないと思うのだ。

世界は常にきな臭い。その矛先が、いつ日本に向けられるかなんて、わからない。
この美しい地球では、毎日夥しい数の血と涙が流れている。
それを、心のどこかで「仕方ない」と思ってしまう……なんてことになりたくない。
だから私はこれから、戦争体験記を沢山読んで、できるだけ多くの経験者の声に耳を傾けたい。
時には、目を背けたくなるような事を知ることもあると思う。
生きていることだけでも正直辛い今の私が学べることは、限られているかもしれない。
それでも、諦めたくない。

過去の人たちが願った平和を、私たちが壊さないために。
世界中から少しでも多くの苦しみや悲しみを取り去るために。
私たちの力は、きっと思っているよりも大きいはずだ。
そう信じて、走ろう。

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朝日みう
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