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自分史という視点の楽しみ方04

今年は本当に梅雨が長いですね。
もはや「梅雨」というよりも「雨季」というほうがピッタリ。
私が子どもの頃、日本は「温帯気候」と習った記憶がありますが、もはやここ近年では「亜熱帯気候」の国になってしまった感があります。
これからどうなってしまうんでしょうか。

さて、自分史という視点の楽しみ方も4回目となりました。
みなさん、日々の生活を「自分史視点」を意識して生活されていますか?
少しずつでも構いませんので、自分というひとりの人間が生きるドラマを、客観視し、冷静に見る視線をもってもらえたらと思います。

そこで今日お話しさせていただきたいのは、前回 の「自分史のもつメリットと価値」とは反対に「自分史に対するネガティブイメージ」について。

第2回目でもお伝えしてきたとおり、私は自分史を「心理学や社会学的要素の強いコミュニケーションツール」だと思っています。
しかし自分自身を内省したり内観したりするという特徴からか、ネガティブな要素を感じる人もいます。
今日はこれまでにあがった声を参考に、それらをご説明できればと思っています。

自分史のもつネガティブイメージはざっくり6つ

私が自分史をライフワークにしようと思ったのは、これまで仕事やプライベートに限らずいろいろな人の軌跡をお聞きしたことがきっかけ。
しかしその反面、下記にあげるような反応を実際に経験してきました。
みなさんのなかで当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。

1.自分は平凡なので自分史にまとめるような経験をしていない
これが自分史という言葉への反応で最も多いもの。
私がインタビューのなかで「●●さんの人生、素晴らしいですね!」と言うと相当数の人が「いやいや私なんて人様に語るような云々…」と、こちらが感動しているのになぜか謙遜される方の多いこと多いこと。
謙遜というよりは、自分で自分を卑下している方が多かった印象があります。
 
そんななか「私はその自分史に価値を感じたと言ってるでしょ!」と半ば逆ギレに近い感情を抱き「なんとかしてこの人に、ご自身の自分史の価値をちゃんと自認してもらいたいし、その自分史から、私のようにエネルギーをもらう他人がいるはず。それを伝えるにはどうしたらいいかな」と考えた末に出会ったのが自分史だったのです。

自分を客観視して、自分の命の価値を認めてあげないとカワイソウ。
自分を一番分かっていて、自分を一番励ますことができるのは自分自身ですし、自分では大したことがないと思っても他人にそれがどう映るかは他人次第。だから誤解を恐れずにいえば、勝手に自分の価値を決めてしまうのは自意識過剰であり傲慢、それくらいに私は思っているのです。

2.若いので書くことがない
これも割と多い意見。
でも考えてみてください。18歳で生きてきた日数は約6500日、約16万時間です。そのうち3分の1は寝ているとしても約10万時間。書くことがないわけありません(笑)
今では小中学校でも自分史を書かせる学校も増えてきていますし、素晴らしいことだと思うのです。
ただ「自分を見つめる視点」「書く視点」を持っていないと、こう考えがちになるというのも分かります。
若い人にも人に伝えられることはたくさんありますし、なにより若い人には未来を前向きに生きる時間がまだまだあるのですから、ぜひ臆せずチャレンジしてもらいたいです。


3.他人と過去は変えられない
確かにこのようなことはビジネス書や自己啓発本などでよく書かれていますし、事実です。
しかし以前にもお伝えしたとおり、他人や過去という変わらない事実を「どう解釈するかは自由」ですし、その解釈をしているのはいま(現在)のあなたであり、そのあなたにはいまから繋がる未来しかないのです。
そう考えれば、過去に囚われる必要はないと思えませんか?

4.過去にとらわれてはいけない
これもよくある自己啓発セミナーなどで語られること。「今この瞬間こそが大事なのです(キリッ)」と語る先生の姿が目に浮かぶようです。
ただよく考えてみてください。いまのあなたは「過去」の体験の集大成なのです。良くも悪くもそれにまず向き合うことが大事。
過去のトラウマなどから、潜在意識のなかで作り出された自分を、顕在意識として捉え直すことで、無理のあるポジティブシンキングではなく、リアリティをもった前向きな気持ちになることができると思うのです。

5.過去を見つめると自己嫌悪に陥るのではないか
これは確かに事実。過去を振り返れば、誰しも人に語れないような自責の念をもつ経験をしたことがあるはずです。
しかし、それに蓋をしていても気持ちのうえではなんの解決にもなりません。その過去の事実を先ほど書いた通り、どう解釈して昇華(消化)するかによって今と現在は変わってくるのです。
また、自分史ではこうした過去のできごとをすべてさらけ出す必要はありません。「あくまでも自分が向き合い、気持ちを整理するために必要なステップなんだ」くらいに考えてもらえたらいいと思います。

6.面倒くさい
「それを言っちゃあおしめえよ」的コメントではありますが、確かに自分史では、上述のように過去の恥ずかしい自分に向き合ったりしなければなりませんし、それを解釈したり書いたりするのは簡単ではありません。
ただ自分の気持ちがスッキリして前向きになる感覚ばかりはやってみないと経験できないものだと思います。ぜひ勇気を出してもらえたらと思います。

以上が「自分史へのネガティブイメージ」になりますが、いかがでしたでしょうか。
ただ、すでに自分史講座を受けたい、または興味がある、という方は上記のようなハードルはほぼクリアしていると言えます。
言い換えればそういう人たちは「自分の過去に向き合い、未来を作っていく準備はすでにできている」という感じなのです。
だから後はそれを監督になって、未来のハッピーエンドにむけて物語を紡ぐんだとイメージしてもらえたら嬉しいです。

このように自分史は誰かが開発したメソッドや、宗教の教えのようなものではなく、自分自身を内省、内観し、答えを自分自身で見つけるもの。
だからこそ、私が自らも含め目指していきたい個の成熟を促進することができる最高のツールだと思っているのです。
ぜひ、自分自身の価値を再認識し、明るく力強く未来を創っていくために、自分史を活用してもらえたらと思っています。
また来月お会いしましょう!それでは!
 
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