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畑が教えてくれること

過剰な除菌やソーシャルディスタンスにより、日常には”分断”が溢れかえっている。コロナ騒動が引き起こす「分断」の先にあるもの、畑が教えてくれることについて考えてみた。

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緊急事態宣言が解除され、慌ただしい日常が、少しづつ戻ってきた。

学校も再開するし、子供たちも浮足立っている。

一生懸命、”日常”を取り戻そうと、何もかもが急に動き出している感じだ。

そして、それを支えるかのように、除菌モード、ソーシャルディスタンスモードは加速している。

学校は登校人数をコントロールし、席の近くの友達としか話せないという行動の制限をしているし、登下校のおしゃべりもおおむね禁止。

街中でのマスクは必須だし、スーパーでは至る所にビニルシートがある。

移動するたびのアルコールスプレーのお蔭で、私はハンドクリームが手放せなくなった。


コロナ?という人類共通の仮想敵のお蔭で、              世の中は、ちょっとだけ”一体感”が出た気がするけど。


リアルな日常では分離分断が、すごい速さで進んでいるという皮肉。


当然、私も社会人なので、命を守るためには、こういったことが必要な「対処」であることは理解している。


でも、やっぱり、これは対処なんだと思う。


みんなわかっていると思うけど、これは解決策じゃない。


でも、だったら、いったい何が解決なんだ!と自分に突っ込みたいけど、頭の悪い私は悶々としてしまう。


すこしだけ背伸びして、この悶々をひも解いてみる。


前提として、私は除菌や滅菌というものがあんまり好きじゃない。


もちろん、手は洗うし、お風呂も入ってますけど、あんまり消毒しすぎるのは、相当どうかと思っている。


だって、見えない微生物や菌のお蔭で、地球にとって負担が大きいもの(有害なもの)が分解され、ふさわしい形で戻していく循環が起きていることを知っているから。


それは体の中も同じことで、見えない腸内細菌がいろんな仕事を体の中でしてくれている。


やみくもな除菌や滅菌はよい菌も殺すしね、そもそもさ、アルコールの有害性だってあるんだよ、と。


不快なことを完全に排除することはできない。


排除したって、別の不快なことは、必ず起きる。


そのことは忘れないほうがいい。


アルコール除菌でコロナは防げるとしても、他の弊害は起きるよね?

今は「手が荒れますね~」で済むかもしれないけど、他の問題は必ず起きてくる。


世の中の動きに私が戸惑うのは、今起きていることに向き合わずに、   とにかく不快から逃げようとしていると感じるからだ。        

とにかく不快から逃げようとして、別の不快のループにハマっているようにみえる・・・

私たちがやるべきことは、逃げることじゃなくて、向き合うこと。

向き合うのは、コロナだけではなく、そもそもの「暮らし方・人との関り方」の再構築なんじゃないかしら。

そうしないと、このループ止まらないんじゃないかしらって。


さらっと書いたけど、それは、きっと、すごく知恵と勇気と覚悟がいる活動だ。(きっと意識高い系の人たちは、ずいぶん前から活動しているに違いない・・・出遅れてて、ごめんなさい)


今度こそ、この再構築を本気でサボらずにやれたなら、         人は地球と、もう少し長く共存できる気がする。


そう思ってしまう背景には、私の仕事があることも書いておきたい。


私が所属する株式会社いかすは、オーガニック野菜の生産・販売、農業学校を運営している。


風が吹けば文字通り飛びそうな会社だけれど、小さいなりに踏んばって、 地球と人に優しい農業を、私たちなりに追及している。


背景には朝ドラが2,3本作れそうなぐらいの苦労はあるけど、

畑に出てしまえば、いつだって気がまぎれるから不思議だ。


自然には、本当に人を癒す力があると思うし、ナチュラルな生態系を持つ畑は、私たちに沢山のことを教えてくれる。


ちなみに、私たちの農法では、野菜を育てているという概念があまりない。

微生物の力を借りて、野菜の”お世話”をしているという感覚が近いと思う。

だから、私たちは、自分たちを農家じゃなくて、”アースケアテイカー”と呼んでいる。


地球のお世話係。


土の状態を見て、感じて、整えて、

お野菜を地球のおすそ分けとしていただいている。

そこには化成肥料や農薬はいらない。

土地には、その土地にあった自然、生態系のパワーがあるから。

私たちは、その土地の本来の力を信じて関わっているし、その土の生態系が蘇るのを待っている。


もちろん、祈るような関りだけじゃなくて、客観的な関りも重要だ。

土壌診断を行い、その土地の状態をしっかり見るし、その土地を囲む”環境”や”歴史”も見る。

その土地の本来のポテンシャルを引き出すやり方で、土を世話し、微生物を元気にし、環境にあった野菜を植え、お世話をしている。


当然、生業としている以上、意図は持つ。


でも、コントロールはしない。


時々、台風やら、コロナやら・・・泣きたいくらいの大ピンチが来るけど、、、なんとかやれているから不思議です。             ※応援してくれているみなさん、ありがとうございます涙。


そして、そういうピンチの度に、

そもそも自然はコントールできないと思い知らされる。


ついでに言うと、ピンチを潜り抜けたとき、

びっくりするぐらい、色々なことがいい感じにブラッシュアップされてたりする。


だから、思ってしまう。


今回の一連の出来事は、そもそもコントロールできないし、確実に私たちの生活にゆさぶりをかけている。


まるで、気づいて、気づいてって言ってるみたいに。


さて、私はこれから、どうしようかしら。。。

とりあえず、今日も畑に行こうかな。


読んでくれたあなた! 

機会があれば、一緒に畑に行きませんか?

そして、一緒に悶々としませんか?

~おまけ~

野菜に過度に肥料を付けると、栄養が余って虫が寄ってきます。

その虫を駆除しようと農薬をまけば、野菜自体が弱り、また別の害虫や病気にかかっていく・・・

対処はエンドレスだし、結果得られる野菜は、見た目はきれいでも、中身は・・・あんまり考えたくない感じです・・・



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