ユニクロの前開き服のこと
noteで#推したい会社 の作品募集をやっているのを見たので書いてみようと思う。
ユニクロである。言わずと知れた超有名アパレルブランドだ。カラフルなフリースがめちゃめちゃ流行ってみんなちょっとずつ違う色(ものすごい色数があった!)時代から知っている。私にとっては可もなく不可もなく(大変に失礼ですが)、とは言え、いつも手近に店舗があったのと、価格帯も手頃なのでそれなりにお世話になってきたブランドである。
しかし、突如として、ユニクロは私にとって唯一無二の超「推し」店になった。
前開きエアリズムインナーの登場である。
これは控えめに言っても革命だった。
あつぼんたち、人工呼吸器ユーザーは、喉に呼吸器のホースを装着していて、片時も離脱ができないことと手や体が自由に動かしづらいため(正確には人によるが)、かぶりの服は着用が難しい。おのずと前開きの服を選ぶことになる。
しかし、首の座っていない新生児期を越えると、一気に前開きの服というものが、市場から消える。では、そんな彼たちの親はどうしているのか?
①しゃにむに探す 見つけたらすぐ買う
②自分で作るor既製服をリメイクする
③福祉服専門のお店で買う
選択肢としてはこんなもんだろう。
私は洋裁が不得意なので、できれば①でやっていきたいとこだが、限界がある。しぶしぶ②の既製服を自分で前開きにリメイクするということでやってきた。
③は、正直、かなり高額な上、あくまでも個人の感想だが、ちょっと野暮ったい。
やっぱり我が子には、普通にカッコいい、かわいい服を着てほしい。本人が着たいなと思うものを与えてやりたい。
幼年期を越えると、カーディガンやパーカーなど(綿シャツはダメ!伸縮性がない!)それなりに前開きバリエーションが多くなってくるが、いかんせんインナーで前開きなんてものは、一般的な市場にはない。
そこに 颯爽と登場したのが、ユニクロのエアリズムの前開きインナーであった。正確な発売時期は覚えてないが、5、6年前だったと思う。我々、医療的ケア児業界では瞬く間に話題となり、こぞってみんな購入した。普通のエアリズムよりは倍くらいお高い。しかし、でも、買う!だって、インナーのリメイクほど、やる気のでないもの(同じものを何枚も)はないんだから!
便利であることはもちろんだけど、私は、自分含め家族みんなが愛用する素材のメーカー(しかも庶民的な)のものを着用できることに、とても魅力を感じたのだ。
とかく特別視されてしまう存在の彼たちを分け隔てなく、いちユーザーにしたユニクロの功績は私はとても大きいと思う。
だから、推せる。
あつぼんが中学校のとき、家庭科で衣服のことを学ぶ単元で、レポートかなにかにこのユニクロの前開きシャツのことを書いていたら、教科担の先生が「私もこのシリーズのことは注目してました!」とコメントをつけてくれ、衣服の世界に一石を投じたことがわかる。
一時期、終売の噂が流れたときは、焦って買い込んだもんだが、いまなお、販売が継続されていて、ひと安心である。
いま、調べてみたら、グンゼやセシールなども似た感じの商品を発売していた。どちらが先であったかはわからないが、広く人口に膾炙するという意味合いにおいては、ユニクロの担った社会的役割はやはり揺るぎないと言える。そして、そこにニーズを見いだし、後に続いてくれた企業にも 裾野を広げるという意味において、いい企業だと思う。
ただ、我が家は家族3人みんなエアリズムのインナーを着ているため、洗濯のたびにどれが誰のかわからなくなり、あっちのタンス、こっちの棚とごちゃ混ぜになってしまうのは、まあ、ご愛敬ということで。
この私たちの思いが企業に届いて、前開きインナーが更なる市場拡大することを心から願う。