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マネジメントに行き詰まったら…1on1【はじめの一歩】

こんにちは。
チームフォワードの竹田です。

今日は、人材育成に関するテーマ。1on1について。
1on1といっても、「1対1で話す。それが何?」という方も多いんじゃないかと思います。
苦手なメンバーがいる、何となく溝を感じるメンバーがいるというマネージャーや、離職率を下げたい人事部門の方などに向けて、私の経験から【初級編】をお伝えします。

1on1のスキルは、突き詰めればいろいろありますが、スキルが身に付くのを待っていたら部下は去ってしまいます。
個人的には、最低限守ることさえ守れば、一定の効果は得られると感じています。
何を隠そう、私自身、7~8年前、1on1という言葉を知らなかった頃からマネジメントに取り入れ、効果を感じていたからです。

1on1で得られる効果

①メンバーとの信頼関係が強化できる
②メンバーの主体性を強化できる
③メンバーへの効果的な指導が出来るようになる
ちなみに、
①~③の順番で効果が出てきます。
でも、今の職場を思い出してください。①だけでも出来たら充分じゃないですか?恐らく、この記事を読んで頂いている方は、信頼関係”強化”というより”回復”したい方ではないかと思います。もちろん、回復→強化が可能です。

1on1初級編の鉄則

初級編とはいえ、絶対に守らなければならないことがあります。
①毎週決められた時間に必ず実施する
②自分(マネージャー)がしたい話をしない
この2つを守れないと、信頼関係の回復どころか、むしろ離れていくことが多いです。
特に①は忙しいマネージャーにとってはなかなか難しいですが、他の業務に優先して時間を取ること。それ自体が対象メンバーにとっては「私を優先してくれている=重要な仕事だと思ってくれている」ということが伝わります。②については、無意識のうちにやってしまいがちなのですが、1on1の時間は「相手がしたい話をする為の時間」です。「ついでに、昨日の件も打合せしちゃおっか」みたいなことが始まると、この垣根が無くなりますので、それは別途行ってください。

1on1の進め方

「今日はどんな話をしようか?」というラフでオープンな問いかけからのスタートで構いません。何が出てきても、まずは相手の気持ちになってしっかり聞くことです。実際に私が経験したことでは、営業部署で売上が厳しい時に、特に低迷しているメンバーとの1on1で出てきたのは「いやーこんな安いもの売ってても無駄だと思っちゃうんですよね」という言葉。こちらからすれば、「安かろうがなんだろうが売れよー!!」となりがちですが、ここはグッとこらえて、なぜそう思うのかをしっかり聞きましょう。上述のとおり、マネージャーがしたい話をする時間ではありません。
また、1on1を始めた初期は、メンバーにも心理的抵抗がある為、そこで出てきたことが本当に伝えたいこととも限りません。こんな言い方をするとアレですが、ある意味「真剣に私の話を聞く気があるのか」を無意識のうちに試している時期とも言えるでしょう。とにかく聞き、何か解決を求められたら、はじめて動けば良いのです。
ちなみに、実施頻度は週1回から長くても2週間に1回。時間は30分程度で良いと思いますが、本当に話したいことが出てきた時にしっかり向き合えるよう、その後のバッファを設けておくことをお勧めします。メンバーに話したいことが無くて10分くらいで終わってもそれはそれ。気にすることはありません。定期実施していると、そのうち「あ、これは次の1on1で話そうかな」と思ってくれるようになるので、”機会があれば話すけど、なければ話さない”ことが伝わるようになってきます。ここにこそ、そのメンバーの個性や価値観が出てきやすいです。
それから、Googleスプレッドシートを使用し、その場で話したことのメモを残しておくのもお勧めです。この効用は、
・お互い忙しいので、1週間前に話したことなど忘れがち。振り出しに戻るのを防ぐ。
・1on1の回数を重ねた際に、本人の成長や悩みポイントの癖などが分かる
です。

時期別の関わり方

①メンバーとの信頼関係が強化できる
②メンバーの主体性を強化できる
③メンバーへの効果的な指導が出来るようになる
この3つのうち、①は2~3ヵ月程度で効果が出てくるケースが多いです。
メンバーから出てくる話題が前向きになったり、具体的な仕事の進め方にテーマが移ったりするので、マネージャー側も気づくと思います。
ただし、それ以前の関係性や、職場風土によるところもあるので、あくまで目安です。
①のフェーズにある時は「とにかく聞く」が原則ですが、この頃には②に移りはじめましょう。ポイントは、マネージャーが答えを与えるのではなく、「じゃあどうしたらいいと思う?」とメンバーに考えてもらうことです。この過程で、自分で答えを出せなかったり、正解を求められることもあります。この場合は、「こんなのどう?」「私だったらこうするかなー」という感じで、指示をするのではなく、同じ目線で一緒に考えることを意識しましょう。②のフェーズで具体的な成果が出始めるようになったら、相手の反応を注意深く見ながら③への移行を検討しましょう。
③の時期になれば、自分自身が立てた目標に対して出来たのか、出来なかったのか、どうしたら出来るようになるのか、を一緒に考えてあげましょう。
もちろん叱責はNGです。
このタイミングもGoogleスプレッドシートが活躍します。その場で決めた目標を可視化しておくことで、「スッキリするだけの相談」にならなくて済みます。
立てた目標に対して全然実行出来ていないこともあると思いますが、何かしらのトラブルやプライベートで大変なことがあったかもしれません。メンバーが求めなければそこまで踏み込む必要もなく、大目に見てあげれば、そのうち改善していきます。自分の若手時代を思い出したら分かると思います。「上司の言いたいことなんか分かっている。分かっていることをわざわざ言われるから腹が立つ」のではないでしょうか。上司は口に出さなくても、大抵態度に出ているものです。

さて、ここまで6ヵ月~1年程度掛かると思いますが、冒頭に記載した守るべきことさえ守れば、継続するだけです(これが一番難しいのですが)。メンバーの成長を願うなら、覚悟を決めて継続しましょう。

1on1関連書籍

1on1も極めようと思えば、様々なコミュニケーションスキルを使用するので奥が深いものです。もう少ししっかり勉強したいと思った方は、以下が入門書としてお勧めです。ちなみに、私は著者の本間さんに1on1を受けたことがありますが、「話し始めて5分後には、過去の上司の誰より本音を言える」面談でした。すごいの一言。


最後に

本日もお読み頂き、ありがとうございました。
弊社では、法人向けに定期的な1on1代行も承っております。
今回のnoteは、プレイヤー向けの内容ですが、
フィードバックを受ける機会が少なくなってきた、成長スピードが鈍化してきたマネジメント層への1on1は非常に効果的です。
ご興味があれば、以下フォームよりお問い合わせください。