迷走してるアラサーは全員観てくれ、『わたしは最悪。』
7月1日に公開された映画『わたしは最悪。』このあらすじだけで共感しすぎて泡を吹きそうな人は、今すぐ観に行って損はありません。(観終わった後にまたこのnoteを読んでください笑)
共感はするけど泡を吹くほどではない人は、ぜひ続きを呼んでください。
より細かいあらすじ
というのが冒頭。行動力と思い切りの良さゆえ、常に新しいものに目移りしていく人なのである。
若さもそれに拍車をかけており、学生時代の「私の人生はいつ始まるの?」というセリフにヴッ(吐血)となる。自分探し真っ只中の二十代、写真家の仕事が続く訳もなく、性に関する文章が少々バズったりしながら、本屋の店員に落ち着く。
子供を欲しがる44歳の恋人は、「君はいったい何を待ってるんだ?」と問いかける。人生に何かが起こってほしくて、それがまだ起こっていないから出産を先延ばしにしたいユリヤ。でも、何が起こってほしいのかわかっていない。ヴッとなる(何度目かの吐血)
売れっ子のパートナーとの差や背伸びに疲れてきた頃、勝手に侵入した知らん人のパーティーである男性と出逢う。次の選択こそうまくいかせたい…!
というのが最初のほうのあらすじ。人生…。
ユリヤは極端だが職や恋人を変えるのはよくあることで、パートナーの職業も少なからず気にする。頭がいい、何らかの才能があると自負していたら、人生に何か起こるはず!と誰だって思っているはず。
この主人公は「最悪」か?
邦題は『わたしは最悪。』だが、英語版タイトルは『The Worst Person in The World』。世界一ってほどじゃなくても、終盤までは主人公を好きになれなかった笑(だからこそ最後まで見てほしい)
ユリヤのような行動力や思い切りの良さが称賛されるサクセスストーリーも多々ある。運命的に出逢ってコロッと好きになるラブストーリーも腐る程ある。
損切りも潔く、心に正直に行動してきたユリヤは、どうしてこうも不完全燃焼なのか?
同時に、黙々と一つのことをずっと続けていれば称賛されることも多い。なんとなく合わない仕事やパートナーに悩みながらも、そのまま続ける人が圧倒的に多数だ。
文字通りコロコロ変えるユリヤにヴッとなりながらも、私自身はこんな考え方である。「コロコロ変わってる」ように見えない程度に人生をより良く変化させるとか、もはや特殊技能である。
特に転職や出産は若いうちしかできないので、素早く判断して切り替えていくしかない側面もあると思う。熟考する時間的余裕がないこともあるだろう。
同じアラサーとしても、ユリヤを特段「あたおか」と排することはできないのである。
30歳女がこの映画を観ると
ユリヤの発言の8割に共感できるけど、パラレルワールドの自分(理性が効いていなかったバージョンの自分)を観ているようで直視できなかった。
私は中退こそしてないが、学部と院で専攻を変えたり、写真の仕事をしたり、ネットに文章を書いてたりして、映画を観てる間ずっと白目だった。子供も今は望んでおらず、今のところ事実婚をしている。
3週間前に30歳になった私が「おい、自分か?」と思ったのは言うまでもない。
もし転職前に見てたら、恥ずかしさで腹をかっ切って死んでた。
29歳未経験ながら幸い希望通りの職に転職でき、「人生に何かが起こった」後なのでこの映画を最後まで観られたにすぎない。
しかしそういった未経験の職種への挑戦も、他人から見れば迷走してるように見えるかもしれない。同じ仕事を続けていれば「うまくいってる」と勝手に納得してもらえるのかもしれない。
でも、他人を納得させるために生きるのはバカみたいだと思う。
誰よりも、私が納得したい。
「変える/変えない」を迷った時、自分が納得するための行動だったら「変える」を選択していいと思う。そして変えた先でまた、何かを変えたくなるまで続ける。必要があれば大なり小なり何かを変える。
そういう人生はきっとデコボコだろう。
でも進んできた道が平らで綺麗かどうかと、人生がうまくいってるかどうかは、あまり関係ないとも思うのだ。
この映画が好きな人はこれも好きかも
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『Last 5 Years』
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B071K76SSC/ref=atv_dp_share_cu_r
作家の夫だけ爆売れし、自分も成功するに違いないと信じる妻といえばこちらの映画も。なぜ成功したがる女性は気が強すぎる人物として描かれるのか。
オーディションのシーンで歌う「I am a good person. I'm an attractive person. I am a talented person」という歌詞が、偶然にも「わたしは最悪。(The Worst Person in The World)」の逆になっています。
↑「Why did I pick this career?」とも歌っててヴッととなります。
この作品が公開された2015年前後は、男性側だけが成功する話が多かった(『はじまりのうた』もそうですね)。女性のほうが売れてるのだと、ララランドあたりか…。
『母親になって後悔してる』
母親になりたくない女性といえば、この本も外せません。母親になって後悔してる女性への聞き取り調査が一冊にまとまっています。
声を大にして言っておくべきこととして、この本に登場する方は全員自分の子供を愛しています。ただしその上で、結婚や出産そのものについて後悔はあり得る、ということです。