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【読書】名刺がわりの小説10選 2023

今年読んだ中から10冊選んだよ★
他人事/平山夢明
或るろくでなしの死/平山夢明
逆転美人/藤崎翔
リベンジ/五十嵐貴久
アウターQ/澤村伊智
木になった亜沙/今村夏子
悪い夏/染井為人
正義の申し子/染井為人
正体/染井為人
光媒の花/道尾秀介


…はい、ということでー!

今年は45冊の小説(文庫本)を読みました

 今まで会社の昼休みは完全読書タイムだったのですが、スマホゲームにハマってしまいそっちもやってたら昨年より読書量が減ってしまいました💦

 余談ですが、「ずっとスマホ見てるヤツは外界との交流を拒んでるっぽい雰囲気を醸し出してて感じ悪い・話しかけづらい」というご意見、巷でよく聞きますよね(年長者になればなるほどその考え方の人が多い気がする)。
 しかしそれは読書も同じなのです。スマホゲーしてる時も読書してる時も会社のおじさま方、だーれも話しかけてこないです(普段は私、いじられキャラなのに)。何かに没頭していて自分の方を見てくれない人間って、話しかけづらいですもんね。
 結論、「昼休みに外界との交流を拒む3大行動」はスマホ読書、それからあとは寝る、です。昼休みは自由時間なので何しててもいいと思うのですが…職場での評判が少し心配な私です(笑)まぁ流石に飲み会の場とかではちゃんと周りとお話ししてますから…たぶん大丈夫でしょう。

 さて話を戻して。少ない読書量の中ではありますが、今回、今年印象に残った10冊を選んでみました。上にずらずら添付した画像はX(旧Twitter)で読了後の感想を呟いたものです(リンク上手く貼れなくて画像添付になっちゃった)。
 昨年も同じ事言ってますが、Xは文字数が限られてる上にネタバレしないようにぼやかして書いた感想なので、なんのこっちゃという感じに仕上がっております。すみません。

今年どうしても言いたい事

 ちなみに今年…いや、今まで生きてきた中で初めての出来事があったのでそれをどうしても書き残しておきたいのですが。
 私…なんと…生まれて初めて…
本に殴られたのです!!!
 …いやまあ、比喩なんですけどね。本を読んでいる最中に、それこそ会社の昼休みに。あまりにも文章から受けるイメージ?ダメージ?が凄すぎて精神に強い影響を受けてしまったのです。精神ダメージは体調不良を呼び起こし、貧血の時みたいに気持ち悪くなってきて、椅子に座ってられなくて。フラフラと誰もいない応接室へ行き、ソファに寝転んで昼休み中ぐったりしてました。
 その衝撃の本こそが、1番目に上げている平山夢明先生の短編集「他人事」。さらに細かく言うと5話目の「仔猫と天然ガス」。

精神をぶん殴られたまさにその時のツイート(笑)

 なんの罪もない無抵抗の婦人が、なんの理由もなく、たまたま家にやってきた若者2人に暴行を受ける様子を描写した最初から最後まで理不尽かつ胸糞なお話です。
 理由もなくいきなり暴力に晒されるという、人間の道理に反する出来事によって不快な気分になるのは勿論のこと、暴行で婦人がどう傷付けられていくか…その残酷な描写が事細かでリアルなのです。まぁとにかく容赦なくグロい。
 若者達の方は淡々とゲームを楽しむかのように暴力を振るっている、というところも通常の感覚では理解が追いつかず恐ろしい。

 その後2、3日は「また気持ち悪くなったらどうしよう」と不安で続きを読めませんでした。

 凄くないですか?本に、文章に、人の精神を揺さぶって具合を悪くできるほどのチカラがあるんですよ!?その時私は気持ち悪さの中にも新鮮な感動を覚えたのです。

 …で、今はどうなったかと言うとすっかり平山夢明先生の作品にハマってしまいました。あの残酷で刺激的な世界観が癖になっちゃったんですかね。現実に起こったら絶対嫌だけど、物語として読むからこそ怖いもの見たさで楽しめる。フィクション万歳といった境地です。

 平山先生の短編は基本的に、底辺で、頭の緩い、不幸な人々が描かれることが多いです。そしてエログロ描写多め。でもなぜか読み終わった後に哀愁を感じたり、勝手に教訓めいた事を感じたりと、私の情緒に確実にジャブを打ち込んでくるんですよね。不思議。登場人物同士の会話が独特のテンポやユーモア満載で、笑えたりする部分も沢山あるんですよ。
 人間に例えると「明らかにヤバいことやってるヤ◯ザのおっさん。話がやたら長いんだけど、その内容は興味深くて面白いからついつい聞いちゃう。けど基本的に住んでる世界が違うから急にキレそうで気が抜けない。」みたいな感じ(長っ)。

 まぁとにかく、私の中では「仔猫と天然ガス」が最恐でしたので、それを乗り越えたなら他のお話はほぼ大丈夫でした(もうひとつ別の短編集に入ってる「おばけの子」もなかなかキツかったけど)。もはや色々マヒしちゃってるだけなのかも知れません。

 興味深かったのは、私も大好きな「幽☆遊☆白書」「HUNTER×HUNTER」の作者である冨樫義博先生が「他人事」に解説文を寄稿されてるんですが、「仔猫と天然ガス」が一番お気に入りだと書かれている事。やはり奇才は私などとはかけ離れた感性をお持ちなのかも知れません。でも解説内容を読むと「そうそう、平山先生のお話はそうなんだよねー」と納得できたりもして。
 …あ、そういえば今思い出しました。私が文庫本「他人事」を手に取ったきっかけは「冨樫先生が解説文書いてるんだ〜、面白そう!読んでみよ!」でした。

 本当に賛否両論、好き嫌いが分かれるかも知れませんが、ぜひこの文章を目にした奇特な方がいらしたら平山夢明先生の「他人事」読んでみて下さい。上手くいけば(?)私みたいに本に殴られる体験ができるかも。これを書くにあたって久々に読み返したけど、想像以上にいっちゃってました…。

その他のまとめ

…ざっくり(笑)
 なんせ今年は「他人事」を読んだ衝撃を誰かに伝えたくて。今その思いが成就したので燃え尽きてしまいました。

 他の作品については、相変わらず好きで追いかけてる先生方の本は「やっぱ〇〇先生のお話好きだわー」という安定感を感じながら楽しく読めました。

 さらに、今年は新たな発見として染井為人先生、藤崎翔先生を知ることができたのがよかったです。
 染井先生は本屋に行くたび「悪い夏」がオススメコーナーにあって気になってはいたのですが、ついに手に取った感じです。「悪い」、真冬に読みました(笑)文句なく面白かったのでその後染井先生の作品を連続購入。「正体」はとても分厚い本なのですが、読んでるうちに主人公が好きになってどんどんどんどん読み進めてしまいました。
 藤崎先生といえばやはり「逆転美人」!こちらも本屋に行くたびオススメコーナーにあって。とうとう読みました。元芸人さんだからか(?)フツーに読み進めているだけでもところどころユーモアがあって面白いお話なのですが。最後に明かされる文章トリックが秀逸過ぎてびっくりしてしまいました。
 ちなみに、染井先生も藤崎先生も、どちらも文章がすごく読みやすいところも好きです。やはりプロの作家さんは読みやすさも意識して書かれているからプロなんだなぁと改めて感じました。当たり前なのですが、私のこのとっ散らかった読みにくい思いつき殴り書き文章とは大違いなのです(笑)

終わりに

 さて、今年も楽しい読書ライフを満喫できました。関係ないのですが、私はスマホの料金プランを通信料使い放題にしていません。なのでWi-Fiのない場所での暇つぶしにスマホを使うことができないのです(正確には、できるけど通信量上限超えたら追加料金なので使いたくない)。そんな時、文庫本は最高の相棒です。
 思い返せば、夏の地域フェスティバル会場(屋台待ち時間30分)や秋のラーメン祭会場(屋台待ち時間1時間30分)など。いつも私の味方は文庫本でした。本を読んでいれば待ち時間なんてあっという間なのです。ありがとう文庫本!これからもよろしく、文庫本!

 それでは、来年も楽しい作品にたくさん出会えますように。

おしまい

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