避難訓練を実のあるものに
若い教員が増えてきている現在。
若者が少ない時代は、管理職や先輩教員が気を回して、いろいろな分掌が経験できるように差配してくれることがあったのですが、若者が増える分、割り振られる分掌も薄まって、体験する機会が少なくなることがありそうです。ここ数年の学校現場を見ていても、実感として思います。
若者にいろいろ体験させてやろうという余裕もなくなってきているという側面もある感じですね。
そんなわけで、分掌の仕事についても時々書いていきたいと思うのですが、
とりあえず今回は防災担当の仕事。
防災担当は、職員や児童生徒の防災、避難能力を維持・向上させていくよう働きかけることが役割です。
だから、学校の災害発生時マニュアルは把握していることが望ましいです。
どんな状況になったら、どんな役職までが学校に参集することになるのか?
地震の時は?気象災害の時は?ミサイル危機のときは?
所属校がハザードマップ上でどんな位置にあるかも知っておきたいですね。
平時の一番主な仕事は避難訓練の計画と実施です。
避難訓練の実施回数は自治体や学校によって結構差があるようです。
自分が今まで勤めた学校では、一番多くて年5回、避難訓練を行っていたとこもあります。
複数回機会があるなら、回数によって目標を定めてやっていきたいですね。
例えば年4回とするなら
1回目・・・4月中。避難経路の確認。
2回目・・・6,7月頃。避難経路の一部不通により、別経路での避難。
3回目・・・9、10月頃。休み時間等、授業以外での避難。児童には不通達。
4回目・・・1,2月頃。生徒・職員共に不通達の避難訓練。
という感じで、どんな状況でも避難できる力を育成していくことを目指します。
自分は、複数機会がある学校で防災担当になった時、3,4回目の避難訓練で職員相手にけっこう遊びます。
「遊ぶ」というと、語弊がありますね。子供の避難については上記のような形で育成していくんですが、職員の対応能力も高めていくために、リアリティを考えて、状況設定して訓練するのです。
例えば、「職員室で棚の上から落ちてきたもので頭を打ち、○○先生が昏倒しているので救助に行ってください。」と子供の避難終了時にアナウンスするとか、敢えて出張の先生が多いときに日時を設定して残った先生方でどう対応するかその場でやってみるとか。
子供に協力してもらってやるときは、ドッキリみたいでお願いした子もノリノリです。(大切な訓練だから、くれぐれも真面目にやり切れる子にお願いするようにしますが。)
子供が一人けがをして、自力で避難できなくなったという想定にして、担任の先生にも、他の子供たちにも内緒で、要救助者役をやってもらうのです。
訓練本番時の「え、君、そんなことになってたの!?」という感じのリアルな驚きは、実際の災害時の対応にも生きると思うのです。
分掌の仕事というと、忙しさからつい前年度踏襲になりがちですが、避難訓練は実際の避難時の対応能力向上ってことを考えると、いくらでも工夫のし甲斐があります。自分から工夫すると、やりがいを見出せますよ、というお話でした。