情報教育担当の話

あけましておめでとうございます。
学校現場の皆様はよい冬休みが過ごせているでしょうか?もう間もなく3学期、あとほんのひと踏ん張りで年度終了です。より多くの教員が素敵な学級仕舞いにたどり着くことを願っています。

さて、今回は分掌の話。若い教員に向けて書きます。経験者には「何そんな当たり前のこと」という感じの話です。内容は、情報教育についてです。

情報教育担当は、教育の情報化全般にかかわる分掌です。地域によっては主任扱いになっているところもあるようです。GIGAスクール構想からの一人一台端末導入で、注目度の高い分掌になっています。自分の経験をふまえ、情報教育担当の分掌をこなすうえで大切なことを伝えていきたいと思います。

情報教育担当の仕事を行う上で大切なことの1つ目。それは「まず、自分で調べられる」ということです。
教員の世界では、困ったときは基本的に「先輩や周りの同僚に聞くこと」が重視されています。だから分からないとすぐ人に聞く人が多いんですよね。しかし、情報教育、ICT活用に関しては、いつだって近くに詳しい人がいる訳ではありません。ヘタすると、文科省からの仕事を回してきた市の教育委員会の担当者でさえ、文科省が何を現場にやるよう言ってるのか、理解していない時があります。だから、自分で調べることができないと、完全に仕事の上で迷子になってしまいます。自分で調べて身に付けたことの方が、人にも教えやすいですし、分からないことはまず自分で調べるリサーチ能力が情報教育担当には必要だと思います。もちろん、自分で調べても分からなくて、近くに詳しい人がいるなら、無駄な時間を使うよりは聞くべきですし、権限を越えるようなリスクの伴う行動は慎むべきですが。

2つ目は、相手の能力・視点を考える力です。
教育のDX化とICT活用の推進のために情報教育担当の役割は重要ですが、結局その他の教員の理解や活用が進まなければどうしようもありません。機器の活用推進のためには使いやすさが重要です。どうやったらほかの教員が使いやすくなるか、操作方法を理解しやすくなるか、使いたくなるか、相手の視点に立って考える必要があります。これはそのまま、普段の児童への指導にも生かすことができる力になります。機器に詳しいだけでなく、みんなが使えるように、使いやすくなるように調整していくことが必要です。そのためには苦手な人には難しいICT機器周りの用語も、わかりやすく表現することができるなどの国語力も重要です。

3つ目は、自分の分掌が必要なくなることを目指して仕事をすることです。
情報教育という分掌の究極目標は、分掌そのものが必要なくなることだと私は考えています。教員みんなが情報教育やICT機器の活用のことに詳しくなれば、情報教育担当なんていらないわけです。ただ、学校教育の現場はICT化がまだまだ遅れている世界だけに、情報教育に長けた人材が重宝される場合があります。そこに過度にやりがいを見出して、自分がいつまでも必要とされるような環境を作り上げ、その環境に甘んじてしまうということがあっては残念です。自分だけがプロフェッショナルでいることにこだわらず、みんながプロフェッショナルになるよう仕向けていくことが大切だと思います。
何より教師の本分は児童生徒の教育ですし。

情報教育は昔から、若い、詳しそうという適当な理由だけで、担当することになる人も多い分掌だと思います。最近任された若い方、来年度いきなり話が回ってきそうな方は、以上3つを頭においていただけたらと思います。


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