第19回 村長散歩日記【村内編】 230630(毎週ほぼ木曜配信)
(島田啓介マインドフルネス・ビレッジ村長による村長日記です♪)
回覧板代わりの村長日記。今年の梅雨、関東は暑い晴れが続き、水が不足しなければいいがなあと思っています。雨を思うにつけても、過不足のないことは様々な場面で大切ですね。とりわけ人間関係においては我慢できずに言い過ぎたり、言えばよかったのに黙っていたり、難しいです。前回に続いて村内からコミュニケーションの話題。
ビレッジは村外向けの参加自由のイベントもあります。興味を持ったらぜひいらしてくださいね。
【第19回:対話~問いを問うこと】
*禅僧 藤井隆英さんの公開イベント 哲学対話「禅シェアリング~テーマ学び」に参加した。この日はたいへん疲れていたので、最初から大あくびの連続。言い訳をするようだが、リラックスすると眠気が出る。初めの禅セラピーワークが効いた。
利き手の指でもう一方の手のひらを、心地よさを探りながらなでるというだけなのだが、どうしてこれがかなりの深みを持ったワークなのだ。自分自身を慈しみながら、「ここにいていいよ」という安心を与えると、そのゆるみは全身に及ぶ。
隆英さんは長年の友人であるが、マインドフルネス・ビレッジでも大活躍だ。禅僧で整体師。禅セラピーという仏法にもとづいた独自の手法を編み出し伝えている。対話というテーマを持った今回の講座においても、最初にワークを取り入れることによって、身心を整えてから入る。
彼は言葉の使い方がとてもていねいだ。よく「安寧」という言葉を使われるが、安心や安全、安泰では表しきれない含みがあるのが感じられる。その言葉遣いに、的をはずさず、真意がまっすぐ伝わるよう心を砕く誠意がある。
オンラインでは、言葉遣いや発声がとても重要な要素だと痛感している。今回は「学び」がテーマだが、そうした隆英さんのあり方自体がぼくにとっては学びになった。
さて内容である。リラックスが先行したぼく自身は、あまり集中できなかったか師しれない。しかし冒頭で書いたように、参加すること自体が学びだったのだ。学びは気づきと切り離せない。答えを与えられることに甘んじないで、自ら問うこと、それが学びに欠かせない姿勢だ。隆英さんはふだんから「問い」を何より大切にしている。
対話のルールにそれがよく表れている。『決めごと~ともに問うこと』からいくつかの項目の抜き出し。
・自己紹介しない
・否定・強要しない
・意見をきちんと聴く
・答えを出さない、納得・まとめしなくてよい
ふだん意識しないことばかりではないだろうか? 気づいてさえいないかもしれない。自己紹介しないは先入観を防ぐため。結論を急ぐあまりちゃんと聴かなかったり、決めつけたり、半端でも自分を納得させたりしている日常が省みられる。
全体が「答えを出すこと」ではなく、「問うこと」に重きが置かれている。辛抱がいる、体力や気力も使う。こういった地道な取り組みを飛ばして、ぼくたちは簡単にわかろうと、手に入れようとしていないだろうか? 結論だけを。そうするうちに失われるのは精神的な足腰の力だ。
いざというときに必要なのは、ふだんからの鍛錬による精神的な脚力、グラウンディング力だ。それはつねに問い続け、心を向け続けることによってしか生まれない。人頼みにはできないことだ。
ぼくたちは様々な機能をアウトソーシング(人頼み、テクノロジー頼み)してきた。ついにはAI化の促進によって思考から表現まで! 考えることを自分に取り戻さねばならない。そうしないと丹田はスカスカになってしまうだろう。
今回のテーマは「あなたにとって学びとは?」だったが、効率悪く熟考し、迷い、深め、結論を出さないことは、AIにはできないことだ。すべてをスマートに情報処理し、知識を蓄積することは果たして学びと言えるのか?
問いは続く。
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