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食べる瞑想チャレンジ月間開催中!

Teachers代表の中場です。今年1月から始まった『今このとき、すばらしいこのとき』(ティク・ナット・ハン著)の音読会を主催しています。そして、仲間と一緒に先月からずっと「食」にまつわる偈頌(ガーター、短詩)を読んできました。

「食事をみつめて
  香り高くおいしそうな
  この食べ物の中にも
  苦しみが見える
・・・私たちがもっと簡素に生活する道を見出し、さらに多くの時間とエネルギーを、世界中の不平等なシステムを変えていくことに注げますように。」

(『今このとき、すばらしいこのとき』ティク・ナット・ハン 、島田啓介訳、サンガ)


この偈頌を読んで、私には何ができるかと考えていました。
そして、考えているだけではなく、できることから行動に移すことに決めました。

その思いが形になったものが、「食べる瞑想チャレンジ月間」です。

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食べる瞑想とは

まず、「食べる瞑想」について説明しましょう。

一般に「瞑想とは姿勢を正して静かに行うもの」と思われる方が多いかもしれません。でも実は、「今、この瞬間に意識を集中させている」ならば、どんな姿勢でも、何をしていても(例えば歩いたり、お皿を洗ったり、歯を磨いたり・・・)、「瞑想」にすることができます。

「食べる瞑想」では、五感をフル活用して、「食べる」という行為をマインドフルに行います。

マインドフルに食べ物に向き合うことを通して、次のようなことを体験します。
● 食べ物の色や形、感触、匂い、味、食感などを身体全体で味わう。
● いのちといのちの関わり合いを深く感じる。
● 食べ物があることに感謝すると同時に、食物が不足して苦しんでいる人     たちがいることに想いを馳せる。

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「食」について深く観る

「食べる瞑想」チャレンジ月間を開催するにあたり、念頭に置いたのが、冒頭でご紹介したティク・ナット・ハン師のこのことばでした。

私たちがもっと簡素に生活する道を見出し、さらに多くの時間とエネルギーを、世界中の不平等なシステムを変えていくことに注げますように。

食べものは、生の本質であり、私たちやコミュニティの基盤です。

そして折しも10月16日は世界食糧デー。私たちのフードシステムと地球について考えるよい機会です。

「食」について深く観ると、一体何が見えてくるのか。

世界の約75億人のうち、約10億人が飢餓や栄養失調の問題で苦しむ一方で、
20億人近くが肥満など食に起因する生活習慣病を抱えています。
私たちはこの食の不均衡について知り、自らの健康と食糧システムの健全性の向上につながる食や食習慣をマインドフルに選択し、具体的な行動に移すこともできるのです。

そこで「食べる瞑想チャレンジ月間」では、TABLE FOR TWOの活動を通して、先進国に住む私たちと開発途上国の子どもたちが食事を分かち合うことをイベントの目標の一つとして設定しました。つまり、食べる瞑想の参加費の一部をTABLE FOR TWOに寄付するのです。そして大変ありがたいことに、6名の先生方がボランティアで瞑想ガイドのご協力を申し出てくださいました。

「食べる瞑想」の体験が、アジア・アフリカの子どもたちの給食に変わるのです。偈頌から始まったこのプロジェクトが、結果としてこの1か月を通して計1200食あまりの給食に相当する額を寄付できることになるのです。1200食とは、1人で食べるなら約1年分の食事にあたります。

食を深く観る。マインドフルに味わう。それにより感じられたつながりを通して、地球の未来を自分ごととして考える。固定化した不平等なシステムに対してアクションをとる。そして一人一人が自分は無力ではなく、力を持つ存在だという実感につながってほしいという願いがあります。

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食べる瞑想の感想

今日で始まって5日が経ちます。これまでに参加されている方の感想や気づきの一部をご紹介しましょう。

● このような機会を頂いた事で、自分の心と身体を一致させる時間、当たり前は当たり前でないことに気づく時間、を毎日持てます。
● 食べる瞑想により、内側へ意識が向き、普段気にならない周りの小さな雑音にも気づきました。日常、いかに無意識に食べることも、今の時間を過ごすこともしているんだと、あらためて認識しました。良い気づきをありがとうございます。
● 娘が自立し、一人暮らしとなり、自分のために食事を準備することや食事の時間を大切にすることを蔑ろにしているなあと自覚があり参加しました。招かれる鐘の音や朗読される五観の偈に耳を傾けるとまさに今ここにいるなあという感覚を味わえてじんわりします。目の前の食べ物とまるで今初めて出会ったかのようにいただくことで毎回新鮮な気持ち、サラダは葉の葉脈まで感じたり、臼歯のすり潰す感じ、海藻(海)の緑と野菜(畑)の緑の違いに感動したり、繊細に味わう食事の奥深さを毎回楽しんでいます。
● 食卓を囲む仲間、そういう暖かい場になってきています。家族がいてもいなくても、離れている人どうしが食卓を囲むのは、オンラインならではのすてきな体験ですね。

まだ始まったばかりではありますが、既にオンライン越しに参加者同士でつながりを感じつつ、微笑みあう和やかな時間が流れているのが感じられます。残りの期間も食べる瞑想を通して、自分と世界に対してマインドフルに向き合い、喜びや驚き、発見を皆で分かち合う豊かさをじっくりと味わっていけるといいな、と思っています。

最後になりましたが、瞑想ガイドの担当を快く引き受け、この企画にご協力くださっている諸先生方に心より御礼申し上げます。島田啓介さん、山田直さん、松倉福子さん、西川真木枝さん、小野寺ひろ美さん、望月里恵さん、本当にありがとうございました。

◎食べる瞑想チャレンジ月間詳細 ⇒ https://fb.me/e/1LWNcbABM

(ティーチャーズ株式会社代表 中場牧子)

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